生き抜く術を心得よ!元Googleのエグゼクティブが語る「混沌の世の歩き方」

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みなさま、こんにちは。鬼嫁こと大場ミミコです。

ここ最近、私の周りでは「今までのやり方は、もう通用しないんだなぁ」と感じるような出来事が頻繁に起こっています。テレビなどのメディアでも、一国の大統領から小さな子どもに至るまで、数年前ではあり得なかった事が実際に起こっているように感じます。

沢山の努力し、我慢し、犠牲を払うことと引き換えに、安全で豊かな生活が送れると信じられてきましたが、その牙城はAIやVRなどテクノロジーの急成長であっけなく崩されつつあります。様々な隠し事が明るみに出て、未来の予測が難しい昨今では(規模の大小にかかわらず)所属する組織が転覆して、大海原に投げ出される不安を多くの人が感じています。

今後、そのような傾向がどんどん強まっていくことでしょう。そんな時代を、私たちはどのように生きればいいのでしょうか? 何を信じ、どこを目指し、どのように行動すればいいのでしょうか?

先日、ひょんなことから『0秒リーダーシップ』という本の著者・ピョートルさんのお話を聞く機会がありました。

●元Google人材開発担当 ピョートル・グジバチ氏講演会「これからの世界」で圧倒的な成果を上げるスキル&マインドセット

詳しくは本文に譲りますが、ピョートルさんはGoogleモルガン・スタンレーなどの大企業で人材開発を担当していたエグゼクティブです。10カ国語を自由に操り、世界を股にかけて働いてきたピョートルさんは、私たち日本人に警鐘を鳴らしています。

「外に目を向けないと、時代を先読みしないと、大海原に投げ出されるよ!」
「今までのやり方では、溺れて死んでしまうよ!」

実際、いま世界では何が起こっているのか。これからどうなっていくのか。何十カ国ものビジネスシーンやライフスタイルを目の当たりにしてきたピョートルさんが、そのあたりを分かり易く解説して下さいました。その時の模様を、あますところなく披露したいと思います。来たるべき混沌の世をサバイブしていくにあたり、きっと役に立つ内容となっておりますので、楽しんで読んで頂けたら嬉しいです。

急速な時代の流れを先読みする

世の中の変化のスピードがとても速くなってます。新しい商品を開発しても、数カ月後にはお店に同じような商品が並んでいるし、すぐに飽きられて流行が変わってしまいます。そういう時代ですから、時代を先読むことが必要になってきます。

例えば、季節。季節というのはサイクルですね。サイクルは先読むことができます。10月になると冷え込んでくるので、服を衣替えしたり、上着をお店に買いに行きますよね。服屋さんも秋冬モノをお店に用意している。つまり、先読みしてますね。

パターンというのもあります。このあたり(東京・八重洲)はスーツを着る人が多い。渋谷や代官山に行くと、Tシャツにジーンズだったり、すごく面白い服装の人もいます。
僕は、アメリカ東海岸のモルガン・スタンレーという金融会社で働いてました。東海岸は、スーツを着ている人が多いんです。

その後、アメリカの景気が下降し、富は東海岸から西海岸に移りました。僕も東海岸から西海岸シリコンバレーのGoogleに転職しました。シリコンバレーでは、みんなTシャツ姿で働きますが、僕はマウンテンビュー(Google本社)に、スーツ姿で面接に行きました。完全に浮いているので落ちる可能性もありましたが、面接をパスしました。

アメリカの西海岸と東海岸は、飛行機で3〜4時間くらい離れた場所にあります。しかし、東京での東海岸にあたる日本橋や大手町と、西海岸にあたる代官山や恵比寿の距離は30分です。同じ東京で、こんなに近いのに街の様子が全く違うんです。大手町近辺だとサラリーマンばかりで、恵比寿近辺だとフリーターみたいな格好の人たちばかり。

トレンドの波もあります。例えば円高・円安という波ですね。波には周期があるので、観察・分析すれば見えてくるものがあります。それを先読みするのが、僕のような人間の仕事でもあります。

時代を先読みするには、どのくらいの視野で見ているかも重要になります。部長のような立場の方の多くは、担当部署の調整や社内政治にフォーカスし過ぎて、社外や世界に目を向けていません。だから僕は、いかに外に出ることが重要かということを伝えています。

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ベルリンの壁は壊れたけれど・・・

先読みの重要性について話す時、僕はよく、身の上話をします。ということで、ざっくりと僕の自己紹介をさせて下さい。

僕は、1975年にポーランドの、人口が50人しかいない小さな村で生まれました。当時のポーランドは共産主義で、今で言う北朝鮮のような国でした。そうなってしまったのは、よく来日していたワレサ議長(レフ・ヴァウェンサ氏)の指導の元、労働組合「連帯」が反ソビエト運動を始めたことに由来します。ポーランド政府は、連帯の影響力があまりに強かったので、戒厳令を発令しました。

戒厳令が敷かれると、ポーランドは「危険な国」と諸外国から認識され、政治的に鎖国状態になりました。貿易も途絶え、食料も配給制になりました。すると、闇市で食料や雑貨が取引されるようになります。ソーセージが届いたと噂が流れると、長蛇の列に並ぶような少年時代を送りました。正直、まったく幸せではありませんでした。

そして14歳になった時、僕は高校に行こうと決心しました。勉強が大好きで、もっと学びたかったんです。しかし、こういう時代の小さな村には、高校に行っている人など1人もいませんでした。「非常識」と笑われましたが、僕は常識を破って高校に進学しました。

その頃、ワレサ氏の頑張りもあって、ベルリンの壁が崩壊しました。「やっと民主主義になった!」国民は大喜びで、ずっと欲しかったカラーテレビやチョコレート、お酒などを手に入れてはしゃぎました。「これで自由になれる!」

しかし壁の崩壊は、海外から大手企業がなだれ込んでくることも意味しました。僕の実家はドイツに近いので、ドイツの企業がたくさん入ってきました。すると、僕の兄たちが働いている工場はドイツ人の手に渡り、生産性が低いからと潰され、自国で作った品質の良い物を持ち込んで、2〜3倍の値段をつけて売り始めました。結果、村の失業率は9割、物価は3倍になってしまい、夢も希望もなくなりました。僕は生活のために高校を3年生で辞めて、ドイツに渡って建設業に就くことにしました。

すると、ポーランドで父がもらっていた月給7,000円の倍以上の額である16,000円を、ドイツではたったの1日で稼げてしまったのです。しばらくして、母が病気になったので一旦ポーランドに戻りました。景気がよく、上向きのスパイラルだった僕とは逆に、周りの村人は明らかに下方向のスパイラルに陥っていました。

さて皆さん。ここまでの話を聞いて、どう考えましたか?
僕の兄を含め、村の人達は、未来が、世界が、どのように変わっていくか予見したでしょうか? 時代を先読みしたでしょうか?

・・・彼らの多くは、今も時代の変化に翻弄され続けています。

フィボナッチ的に考えて行動する

ところで皆さん、フィボナッチ数列ってご存知ですか?
『1、1、2、3、5、8・・・』というように、前の2つの数を足したものが次の数になる規則に基づいた数列ですね。自然建築物によく見られるパターンでもあり、成功する人達のパターンでもあります。


↑ フィボナッチ数列について分かり易く説明している動画。

要は、世界の動きや変化よりも早く変化するんです。それが、成功する人達の考え方や行動なのです。何が起きるか分からない時代だからこそ、より早く動かなきゃならない。より広く物事を考えなきゃならない。本当はその方が「自然的」なんですよね。

それとですね、ユニ・リーバの元会長が言ってた「データはスーツケースを重くする。洞察はあなたをリッチにする」という言葉があるんです。ユニ・リーバって世界的にすごく儲かってる会社なんですが、データをめちゃめちゃ分析する会社としても有名なんです。でもね、データの分析をしても、その分析の分析をしても、結局は戸惑うんだそうです。戸惑うってことは、判断や行動が遅くなることです。なので直感や閃きを使わないと、データから得られるものも得られないんです。それが先ほど紹介した言葉の真意ですね。

ここで、世界の人口についてのデータをお話しましょう。10年後、平均年齢が45歳より上の国ってすごく増えるそうです。寿命はどんどん伸びているので、平均年齢が高くなるのは当然ですね。2034年の日本人の平均年齢は、データによると約53歳になるようです。

しかし、アフリカ諸国やインドは25歳以下の平均年齢の国が多いです。そのあたりの国は、非常にハングリー精神の人が多くて、現在、ベンチャー企業がバンバン立ち上がっています。日本は、起業する人は全体の1.3%しかおらず、世界においては下から4番めという少なさです。一方ウガンダは、この2年の間に労働者全体の28%が自分のビジネスを興しているんです。強烈ですよね。

他にも、こんな問題があります。例えば、E7(ブラジル、中国、インドなどの新興7カ国)のGDP(国内総生産)は先進国の半分くらいだったんですが、2014年で同等になりました。・・・で、2025年になると、2倍になっちゃうんです。そうすると日本は、高齢化社会に加えGDPも下がることになります。25年後とか相当大変ですよ。今ちゃんと考えておかないと非常にまずいことになるでしょう。

次に牛肉についてのデータをお話します。牛肉というのは、生産コストとリスクが非常に高いってご存じですか?

例えば、500gの穀物を作るために、約655リットルの水が必要と言われています。しかし、同じ量の牛肉を得るためには、約7000リットルの水が必要なんです。最近、アフリカのマサイ族のリーダーと登壇したんですが、飼っている牛達が草を食べるので、ケニアがどんどん砂漠化してしまうそうです。草がないと、水が地下に流れて土地が乾燥してしまうからです。しかも、牛が吐くゲップが大気を汚染するのですが、昨今は汚染がどんどんひどくなっています。

今お話したことは全て由々しき問題ですが、もっと大きな問題は、これらの事実が日本ではあまり知られていないということです。こういうデータはネットにいくらでもあるのですが、あまり検索されないので埋もれてしまうのです。

若者と中高年の価値観の差が示すもの

それとですね、ミレニアルジェネレーションと言われる方々・・・1980年代半ば以降に生まれた方のことを言うそうですが、この世代の価値観と、40代以上の価値観って全然違うんですよ。日本とアメリカで、ミレニアル世代と40代の価値観の差を比べると、アメリカの方が差が少ないんです。つまり、日本は若者と40代の価値観の差が激しいということです。この差が少ない国や企業ほど風通しが良く、生産性や幸福度が高いと言われています。

ミレニアル達は、生まれた時からインターネットが普及した環境で育ったデジダルネイティブです。その世代に、40代の上司に求める条件のアンケートを取ったところ、リーダーシップやメンター性などの項目を抑えて、サポート力が一番になりました。つまり若者たちは、自分で頑張ろうとしているのです。先輩や上司にはそれを見守って、時にはサポートして欲しいと希望しているのです。

現在の中年たちが思春期だった頃は、政治家や先生を信頼出来ないとなると、みんなでアナーキーな態度や行動を取ったものです。喧嘩・飲酒・喫煙・ドラックなどに憧れた少年少女も多かったのですが、今の若手を見ると、価値観が全然違います。40代の人は無茶をしたり、自分や他人を危険に晒しましたが、ミレニアルはお酒は飲まず、ヨガやトレーニングで自分の心身を大切にする傾向があります。このように世代の持つ心情や背景を理解することが、年令による価値観の差を埋め、国や企業に明るい未来をもたらすのだと思います。

破壊的革新の時代がやってきた

最近、ディスラクティブイノベーション(破壊的革新)という言葉を良く耳にします。既存の業界に、全く違うジャンルのものが参入してきて、その業界を潰してしまう・・・もしくは、古いものに新しい価値を見出して、新しい業界が産まれるということです。

例えば、目覚まし時計。今、大きいベルのついた目覚まし時計で起きる人ってあまりいないですよね。ほとんどの人は、スマホの目覚ましアプリをアラームにしていると思います。10〜20年前は、写真館で写真を撮ってもらうこともありましたが、今はあまり行きませんよね。パスポートの証明写真はマシンで撮り、その他の写真はスマホで撮影します。

このような現象が「破壊的革新」です。物がデータに置き換わり、コストや手間は省かれていきます。この傾向はどんどん広がり、強まっているのが現状です。

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そして、時代の変化を感じ取り、いかに影響を与えていくかが重要です。例えば、アイス・ハーベスト(氷製造業)という、かつてアメリカ北部でとても儲かっていた工業業界がありました。泉から専用のノコギリで氷を切り取るのですが、そのうちにノコギリは電動になり、作業の効率を上げました。次に、泉の近くに工場を作って、さらに早く出荷できるようにと進化を続けました。

ただ良く考えると、氷業界を効率化させた人達や、工場を作った人達は、氷製造業の人達ではなかった事が分かります。電動ノコギリにしろ、工場にしろ、製氷業界と別世界の人達が潤ったのです。これももちろんイノベーションですが、1960年代に冷凍冷蔵庫が登場したことで、氷業界に破壊的革新が起こります。家電業界が入り込んできて、家で氷が作れるようになってしまったのです。この件で、業界自体の存在意義が揺るがされることになりました。

人類に影響を及ぼす、5つのテクノロジー

オックスフォード大学の資料によると、10年〜20年後には日本の仕事の48%はロボットなどのAIに代替されてしまうそうです。

●オックスフォード大学 マイケル・A・オズボーン博士の論文「未来の雇用(原文)」

例えば弁護士さん。何年も勉強して膨大な知識を頭に入れますが、法律書のデータ化・自動化により、検索することで仕事を奪われてしまうかもしれません。ここで、皆さんの人生を変えるであろう、急成長している5つのテクノロジーを挙げさせていただきます。

1つめはロボット。生産の為に使われているロボットですが、この5年間で23分の1の値段になったそうです。工場にしかなかったロボットは、今20万円ちょっとで買えます。家庭でロボットが色々と作業するのは、もうSFの中の話ではないんですね。

2つめはドローン。こちらは何と、6年間で142分の1の値段になりました。アフガニスタンやシリアの空にドローンが飛ぶ映像がありますよね。プレデターというドローンで、だいたい100万ドルくらいするそうですが、アメリカのオタク達がネットで集まって、手作りでドローンを作ってしまいました。しかも、プレデターの97%の機能を持つものを…です。残りの3%は武器ですが、GPSやAIなどはプレデターと同等のものが約500ドルで流通しています。

特筆すべきは、クラウドを使って、知恵や人脈などを持ち寄ってドローンを作ったことです。仮にですが、この会場にいる人々でドローンを作ろうとしたら、半年で出来ると思いますよ。

3つめは、3Dセンサー3Dプリンターなどの技術です。自動運転って今流行ってますよね。そのセンサーは、だいたい5年間で250分の1の値段に下がりました。今はテスラとか日産とかの車で、だいたい70ドルくらいでしょうか。

3Dプリンティングは、7年間で400分の1の値段になったそうです。今渋谷のFabカフェなどに行くと、3Dプリンターが置いてあって、店員にお願いすればプリントしてくれるんですね。何を作りたいかにもよりますが、2,000円くらいからプリントしてくれます。

4つめは、遺伝子のシークエンシー(継続)です。採血してDNAを保存する機能は、当初3億ドルくらいのコストがかかりましたが、2014年には1,000ドルくらいになりました。僕の部下も保存をしてもらってます。自分のDNAがあれば、自分のような人間ができるんです。

5つめは、VR(バーチャル・リアリティ)です。シンギュラリティという言葉を聞いたことがありますか? 人工知能(AI)が人間の能力を超えるなど、テクノロジーの急成長が人間の生活に及ぼす甚大な影響のことですね。アメリカの研究者、レイ・カーツワイルさんなどが提唱しているんですが、10年後には、自分の意識をパソコンでクラウドにアップロードできるらしいんですよ。そうなると、身体は要らなくなってくるかもしれないし、ネットの中で生きるような未来があるかもしれません。

VRが世界的に浸透すると、例えば僕がニューヨークに居ても、あなたはこの場所で僕を見ることができます。実際に身体はニューヨークですが、ここに居る感覚で話せるんですね。そうすると、出張が不要になります。時間やお金をかけなくても、世界のどこにでも出かけられるのです。VRの普及により、広告、通信、飛行機、旅行会社・・・様々な業界の存在意義が問われる時代になるでしょう。

クビになる準備、できてますか?

ここで、携帯電話マーケットについてお話ししますね。

携帯電話は、1980年にAT&T社という通信会社によって作られました。そこに、某コンサル会社が来て「こんな高いものが買えるのは1,000人くらいしか居ないから、需要なんてないよ」と言いました。AT&T社はそれを信じ、大きな損失を被りました。

コンサル会社は、2000年で携帯電話の利用者は約16%増えると予測しました。しかし現実はその何十倍の増加率でした。そして2006年、100%に届くかと思われたのですが、増加率は何と12%でした。何が起きたのでしょうか?

そう。iPhoneの登場です。携帯はもはや携帯ではなくなりました。管理機能などPCの機能がついて、ネットに繋がるスマートフォンになったのです。こうして利用者が増えると、値段が下がりますよね。すると、新興国の人達がスマホを使うようになります。新しいマーケットがどんどん増えるのです。

5年後の世界と今は、きっと全然違う世界になっていると思いませんか? 2020年の東京オリンピックでは、人々はどういうマシンを持っているか。それを予測できないほど、テクノロジーは急速に進化しているのです。

このように、様々な例を通して僕が皆さんに問いかけたいのは「会社をクビになる準備ができましたか?」ということです。これには2つの意味がありまして、1つは「クビになってもいい」とう心構えの人達は、実際に成功するということです。

僕は、モルガン・スタンレーやグーグルで管理職の育成を経験しましたが、成功している人というのは、普通の人達と考え方が違うことに気付きました。何をすれば次に行けるかを、常に先読みしてるんです。

具体的に言うと、自分の仕事をなくすということです。自動化させたり、誰かに任せたりするんです。これが出来る人達は実際に昇進しています。今までと同じことをやっている人・周りと同じようなことをやっている人は成功していませんね。

時代を先読みしてフィボナッチ数列で動いている人は、2倍・3倍・4倍という勢いで成長&出世をしている人が、非常に多いと僕は思っています。

一見「愚かな」アイデアが、次世代の常識を作る

僕が3年以上使っているテレビのリモコンには、大小合わせて30個くらいのボタンついています。でも、電源とチャンネルボタン以外は全く使いこなせていません。しかし、AppleTVアンドロイドTVなどは、3つほどしかボタンがついていません。それで操作ができるんですよ。

要は、物事が良くなる時というのは、ファンクション(機能)がなくなるんです。例えば、airbnb(エアビーアンドビー)。部屋を貸したい人と、借りたい人をインターネットでつなぐビジネスをしている会社ですが、社員は2,500人しかいません。同業界のハイアットグループは4万5,000人も居るんですね。

airbnbのビジネスは、3万5,000都市に展開していて、オフィスは21店舗。ハイアットはホテルも含めて549件です。airbnbの方が社員も店舗も少ないですが、市場価値はハイアットの3倍以上とも言われています。airbnbは、自分のものを使いませんが、ハイアットは高級な建物が必要なので、とにかくお金がかかります。

またairbnbは、コミュニティを上手く使って、皆さんが持ってる家を提供してもらうというメンタリティを作るんですね。ハイアットはコミュニティを持っておらず、インターフェイスはWebやアプリ、客室のフィードバック用紙となっています。

ちなみに僕は、人生の半分をホテルで過ごしてきましたが、今まで1回もフィードバック用紙に記入したことがありません。みなさんもそうですよね。ハイアットは評価を得ないと、次に進めないんです。airbnbは部屋を持ってる人は顧客の評価をするし、顧客からは評価をされるので、お互いに切磋琢磨しながら良くなっていく仕組みになっています。

airbnbのミッションは、1人用ベット(部屋)で平和を作ることだそうです。

例えば、日本の政治と中国の政治が、うまくコラボできない現状があります。僕は仕事でよく中国に行きますが、滞在先でテレビをつけると、日本人の軍隊が中国人を殺戮するドラマが流れています。それくらい中国は、日本に好意を持ちたくないんですね。

しかし、そんな中国人がairbnbを利用して日本人の家に泊まると、心情をガラッと変えることが多いそうです。家に入ると、敵意が薄れてしまうのかもしれません。

他にも、タクシーを1台も持たないタクシー会社・UBER(ウーバー)なども業界に変革をもたらしました。facebook社も、Webの会社と思っている人が多いですが、実はメディアの会社です。でも、テレビ局などのようにメディアの在庫を持ちません。登録者(ユーザー)が投稿すれば、勝手にデータが積み上がって、メディアコンテンツになっていくので、コストもかからないのが特長です。

airbnb、UBER、facebook・・・これらに共通するのは、一見すると「愚かな」アイデアであるということです。皆さんは、見知らぬ人の家に泊まりたいですか? そんな人のベットで寝たいですか? 常識的ではないですよね。

でも実際、そういう会社が世の中を変革し、新しい行動パターンを作っていくのです。そしてそのような人達は、収益化よりもコミュニティ作りに力を注ぎます。

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成功する人と、そうでない人の違い

さて、成功する人と、しない人は何が違うのでしょうか? それは、やるかやらないかです。違いはこれだけ。言ったことを実行する人が成功するんですね。

物がないなら試しに作ってみる。追加してみる。改善してみる・・・このようにやっていく人が成功者になります。しかも、すぐやることが重要です。

成功するチャンスは、一瞬一瞬起きるんです。今もその瞬間です。成功したいんだったら、今ここにいる人たちに話しかけたり、疑問が湧いたらすぐにネットで調べたりしましょう。

そして、目まぐるしく変わっていくこの時代に、日本だけしか見ていないのは非常に危険です。もっと世界に目を向けましょう。

銀座に行くと、デパートがオープンする時分には中国人の列ができています。その現象をチャンスと捉えてビジネスを興すこともできるし、業界のピンチと捉えることもできる。要は、個人の選択次第で今後が全く変わります。

また、日本には素晴らしい所がたくさんあることも忘れてはいけません。なぜこんなに外国人が日本を訪れるのかというと、自分達にないものを見たくて、普段経験できないサービスや商品を味わってみたいからです。

いかに日本の良いものを世界に届けるか。それをぜひ考えていただきたいと思っています。そして、アイスカッターのような悲劇が日本に訪れるのを避けるためにも、視野を広げ、先読みをすることを意識していきましょう。       (講演終了)

質疑応答タイム

※ここからは、質問コーナーとなります。

★質問者A「日本語しか話せないというのは、海外に打って出る時にまずいでしょうか? 英語は学ばなければならないでしょうか?」

ピョートル「仰るとおりです。僕は一般の外国人に比べて、収入が高い方だと思います。なぜなら、日本語が話せることで、日本でも外国でも活躍できるからです。言葉が解るということは、情報が多く得られるということです。

書店で並んでいる外国人が書いた本を、半年前に僕は原文で読んでいます。その方が、情報を得られて有利だし、そうしないと時代遅れになるからです。ぜひ、外国語を頑張ってみてください」


★質問者B「今、キャリアデベロップメント(企業と従業員の能力の橋渡しや、スキル開発・育成)の仕事をしています。従業員たちの意識を扱うのが難しく、温度差を感じています」

ピョートル「日本では、大手企業とベンチャーで傾向が全く違います。大手企業などはトップダウン(上層部が意思決定をし、下部組織に実行を指示する)で、形態はピラミッドです。

ピラミッドというのは王様のお墓です。外から遺体やお宝を取られないように壁がガッチリしています。airbnbやグーグルは真逆で、外側に対してオープンですよね。例えばYouTuberなどのために場を提供することで、YouTuberが新しい価値を産んだり、コミュニティが活性したりします。仕組みをオープンにすることで、誰でも手を加えられる状態にすることがポイントになります。

その為には、従業員が心理的に安心し、信頼できる職場を作らないといけません。『自分はここに居ていい』という意義を与えないと、人間は働けないんです。安全な環境で『ここで作られているものは、世界にとっていいモノだ』というプライドを持てるようにならないと何も始まらないということに、多くの経営者は気づくべきです。

本当は、みんなどこかで解っているんですよ。社会貢献をして、皆さんの為に良いものを提供すれば、お金が還って来るってね。非常にシンプルですが、物事の本質を突いています」


★質問者C「先ほど中国で指導されていると伺ったんですが、中国でもオープンな事業形態というのは増えてるのでしょうか?」

ピョートル「増えてますね。中国はハングリー精神が元となっています。ちょうど杭州で2週間ほど前に、起業家を育てる5日間のプログラムを開催しました。

そこに集まった120人のうち、8割以上が社会貢献願望を持っていました。「今の中国をなんとかしたい。お金も持ってるけど、貧しい人達をなんとかしたい」と思っているので、今後は中国も変わっていくでしょう」


★質問者D「時間外労働を整備する業務を任されています。日本と欧米を比較すると、欧米の方が生産性が高く、十分休んだり、バカンスを楽しんでも日本は欧米に敵わないという話を聞きます。日本企業として改善点などがあればお聞かせ下さい」

ピョートル「なぜこの仕事をやるのか、日本の人達は確認しないんですね。上司に『これやって』と言われて『はい、やります』という感じで、対話しないんです。すると、上司が求めているものと違うものを作る可能性がありますよね。これは非常に効率が悪いんです。

日系企業では『質問する=頭が悪い』というイメージがあるんじゃないかと思うんです。質問は大事なことで、それによって新しい価値が生まれます。いかに『馬鹿な質問をしてもいい』という環境を作る方法を考えたべきだと思います。

要は、質問によって確認ができるんですね。『いつまで?』『どういう風に?』とかね。あとは、簡単な試作をするのも1つの手です。『こういうの作ったんですけど、どうでしょう。イメージと合ってますか』と聞けるので、話が早いんです。時間短縮にもなりますよ。

それから、日本人は時間管理をしがちですが、管理すべきは、時間ではなくエネルギーです。例えば、いつ自分が一番元気かを考えるんです。朝型か夜型かとかね。昨日飲み過ぎたから、今は大事な仕事ではなく、簡単な仕事をするというのもエネルギー管理と言えます。エネルギーを管理するようにすれば、現実が変わってきますよ」     (講演会終了)

【おまけ】 その後のピョートルさん

この講演会が行われたのは、2016年の10月14日。金曜の夜だったので、学校終わりの息子氏を連れて2人で参加しました。

息子はセミナーや講演会に参加するのが好きなのですが、あまり面白くないとゲームやスマホで遊び始めてしまいます。しかし今回のピョートルさんのお話には興味津々で、前のめりでずっと話を聞いていました。

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質疑応答の時も、真っ先に手を上げて質問していたので、こちらにその様子を載せさせていただきますね。


息子「僕は今、ブログを運営してるんですけど」
ピョートル「ひゃ〜!カッコイイーーーー!!あなた、何歳ですか?」
息子「9歳です。ピョートルさんは今後、ブログやYouTubeはどうなっていくと思いますか?」
ピョートル「ねえ、僕と友達になってくれる?質問の答えは、今度会った時に話すからさ」

・・・ということで、息子に新しく友達が出来ました。

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その後も、ピョートルさんと息子は親交を深め、お互いの知的好奇心を刺激しあっています。
今後もピョートルさんとは様々な形で関わっていく予定ですので、ご質問やご提案などがあったら、ぜひご連絡下さいね☆

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