「食えばわかる」、「食べなくても欲しくなるストーリーが欲しい」。究極のお土産フォーラムで再認識したプロモーションの意味

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2015年9月14日に復興庁主催の「世界にも通用する究極のお土産フォーラム」と銘打ったシンポジウムと品評会がありまして。

究極のお土産フォーラム

で、このイベント自体は日本(特に東北地方)が誇る新たな価値を発掘するために、現地の生産者と百貨店や小売店のバイヤー中心となって、各地域の名産品をPRして販路を拡大するための会合で、どちらかというと関係者中心のイベントだと思っていて遠目で眺めていたんですね。

そうしたらふるさと甲子園の事務局で凄くこき使われたお世話になった人から「染谷さん、何時に待ち合わせします?」って参加すること前提のありがたいご連絡をいただいたので、午前中の筋トレでボロボロになった体に鞭打って参加してきました。

で、第一部のシンポジウムでは、三越伊勢丹ホールディングスの大西社長やいつもお世話になっている地域活性プランニング(ロケーションジャパンLJマルシェ)の藤崎社長の基調講演、そしてパネルディスカッションというプログラム。

第二部は品評会(最終審査)で、エントリー496商品より一次審査によって選ばれた112商品が会場に集結し、その場で審査員(10名)にPR・試食してもらって究極の10品+特別賞を決めるというものでした。

第一部のシンポジウムも第二部の品評会も、非常に勉強になることが多かったのでシェアしますね。

究極のお土産フォーラム 第一部シンポジウム

全部解説すると全然終わらないので、凄く気になった、共感できるフレーズをベースに解説します。

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どんないいものを作ってもプロモーションしなければ伝わらない

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これは確か藤崎社長の講演中の言葉だったと思うのですが、ホントこれって重要なポイントですよね。悪いものを作ろうなんて思って活動してる生産者なんて居ないんですよ。もう、製品が良いのは当たり前の時代なんです。となってくると、「伝える」という行動が非常に重要になってくるわけです。

情報発信には有料(広告)か無料(記事)かの2種類しかない。無料で記事にされるためにはアイディアを振り絞るか、大量に汗をかくしかない。

即効性が欲しければお金をかけて広告を打てばいいんです。でも潤沢な資金がある企業や自治体は決して多くありません。だからこそ、頭をつかうか体を使うかして、メディアに取り上げてもらう施策を練らなければいけないわけです。ただボーッとしててもきっかけは生まれません。取り上げてもらえる地域や会社はそれだけ努力と工夫をしているわけです。

お土産は値段じゃなくてストーリー

これは改めて文字にされることでハッとしました。今回のイベントのメインテーマが「お土産」なので、お土産に寄った話になるのは当然なのですが、その土地の特性や生産者の想いをきちんと表現するのは本当に重要です。もちろん値段も多少は気にしますが、家族や親しい友人(あるいは自分)へのお土産って、話のネタになるようなものを好んで買う場合が多いですよね。なんでこのお土産を選んだのかという理由が明確であればあるほど、手に取ってもらえやすくなるわけです。

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パネルディスカッションには復興庁政務官の小泉進次郎議員もパネリストとして登壇し、東北の現状と、今後、世界に向けて東北の食を発信して行く為に必要なことをゲストと共に議論していました。

佐渡島に小さな酒蔵があるが、規模が小さいから商社は相手にしてくれない。だから自分たちでホームページを外国語に翻訳した。そうしたら海外から問い合わせをもらった。自分たちが一歩動いたからこそ、世の中に反応があった。

これは小泉進次郎政務官の話の中で出てきたのですが、おそらく真野鶴尾畑酒造のことだと思います。最近の技術を使っていたり、トレンドに沿ったホームページではありません。でも自分たちのできることを考えた結果、世界に打ち出すために多言語化を図ったわけです。

小泉政務官は「国はきっかけ。最終的に収益があげられるかどうかは民間の自助努力。」とも言っていました。国や行政ができることは限られているんです。最終的には自分たちがやるかやらないかで成果というのは大きく変わってくるわけです。

漁師や農家など、生産者からしてみると「食べてもらえば良さはわかる」。でも、バイヤーからしてみると「食べなくても欲しくなるストーリーが欲しい」となる。いい製品なのは分かる。でも手にとってもらうには理由が必要。

これは三越伊勢丹の大西社長のコメントだったと思うのですが(違ってたらすみません)、これも非常に重要な言葉です。作り手側からしてみると、一度手に取って口にしてもらえれば良さは分かってもらえるという自信があるんです。僕も書籍を書いているので、その気持ちは凄くわかります。

でもそれって自分のエゴなんですよね。みんな良い物を作ろうとしているのなんて、今の世の中当たり前なんです。今回のエントリー496商品の第一次選考って書類選考だったそうです。「食べもせずに何がわかる」と言いたくなる気持ちも理解できます。でも選考側からしてみると、写真を見て、エントリーの文章を読んだだけで食べたくなるという「理由」が大切だったんです。

これだけ商品が溢れている世の中です。厳しいようですが「食べてもらえれば」なんて言葉は言い訳にしかならないんですよね。

ハーゲンダッツで使われている日本の生乳は北海道の浜中町で生産されています。日本のハーゲンダッツアイスは、世界中のハーゲンダッツの中でも一番品質が良いと言われているそうです。その生乳で作ったソフトクリームを浜中町で食べることができるが本当に旨い。浜中町までソフトクリームを食べに行く意味がある。

これも小泉政務官が言ってたことでした。実は僕はアイスクリームが苦手なのでハーゲンダッツもあんまり食べたことがないのですが、この情報はびっくりしました。知ってる人にとっては当たり前なんでしょうが、日本の製品の品質は世界でも十分通用するんですよね。

そして何よりもすごい情報が、その生乳で作ったソフトクリームは浜中町でしか食べられないということです。この現地でしか食べられないというのは物凄い魅力だと思います。僕はアイスは苦手ですがソフトクリームは大好きなので、家族旅行の行き先の一つに完全にノミネートされました。

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第一部のシンポジウムではこのような情報が盛りだくさんで、再度、「伝える」ということの重要性を学ばせていただきました。最後はエイエイオーの掛け声で、東北復興にエールを贈りました。

そして第二部の品評会に続きます。

一つを選ぶことが困難な珠玉のお土産たち

そんなわけで、脳に汗をかいた後は舌に汗をかく番です(涎ではありません)。というわけで、東北各地から112種類ものお土産たちが群れを成して待ち構えてました。さすがに全部の味見はできませんでしたが、いろいろと舌鼓を打ってきました。なお糖質制限中なので、タンパク質系の食材が多いのはご容赦ください。

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まずは秋田県仙北市の西明寺栗 純栗グラッセ。大きな栗を渋皮ごと甘く煮たスイーツです。最初から糖質高いとか言うな。

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続いて岩手県洋野町の短角牛ビーフジャーキー。柔らかいんですけど、すっごい肉の味がしますよ。

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こちら岩手県釜石市の黄金海宝漬。雲丹やイクラ、鮑の宝石箱やー!

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同じく岩手県釜石市のまるごとあわび大福。なんと餅の中に鮑と雲丹(たぶん)が入っている贅沢な大福です。

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岩手県久慈市の短角牛の贅沢コロッケ。岩手県は短角牛が名産なのですが、旨味がギュッと詰まっています。

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宮城県南三陸町の帆ッ伊達な炙りとひとくち珍味「燻製かき」。日本酒はないのかね、日本酒は。

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宮城県気仙沼市の金のさんま。肉厚の身がよく煮こまれてて、骨までさくさくいけちゃいます。日本酒はないのかね、日本酒は。

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宮城県石巻市の金華の宝 牡蠣帆立の潮煮熟成炙りセット。素材の味がすごい濃くて、下手な味付けいらないっす。日本酒は(以下略

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同じく宮城県石巻市の金華鯖燻製。金華鯖は何があっても正義だろう。

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さらに宮城県石巻市からほや燻製オリーブオイル漬け。僕はもともとホヤは好きなんですが、この商品は全然臭みもなくホヤの食感だけが楽しめます。これだけで一升いけるわ。

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宮城県美里町の金華さば味噌煮。いやだから金華さばは正義なんだってば。

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福島県会津坂下町のべこの乳発 会津の雪(無糖)。ここらで一旦、舌をリフレッシュ。とかいいつつ、非常に濃厚なヨーグルトです。

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岩手県大槌町のサフラン入りマタギの蜂蜜。濃厚な蜂蜜にサフランを入れるってチャレンジングですが、彩りも綺麗ですし風味もかなり変わりますよ。どうでもいい話ですけど、なんかマタギって単語ワクワクしませんか?

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宮城県大崎市のラグジャリアストマトジュース「スカーレット・ティアーズ」。凄い糖度の高いトマトをジュースにしたものです。ちなみに左に並んでる二本のボトルは熟成度の違うぶどうジュースです。こちらもうまかった。

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山形県寒河江市のプチジェリチェリー。冷凍で届くのを解凍しながら楽しむデザートです。さくらんぼの蜜煮をゼリーでコーティングしているお菓子で、見た目も楽しく、アイス状で食べても良し、解凍して食べても良しな逸品です。

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宮城県石巻市の牡蠣六味詰合せ。牡蠣一つの食材でもいろいろな表情ってあるんですよね。

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福島県柳津町の牛肉十割 奥会津雪掘ロールキャベツ。これホントキャベツが甘くて、主役のはずの牛肉を食っちゃってます。

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岩手県釜石市の国産サバのオリーブオイル漬け Cava缶。オリーブオイルって鯖と良く合いますよね。

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秋田県男鹿市の天然真鯛のからすみ。真鯛!真鯛のからすみですってよ、奥さん!

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秋田県八峰町のハタハタオイル漬け。ハタハタの缶詰って初めて食べましたけど、これはこれでアリですね。

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こちらは東北地方じゃないんですが、いつもお世話になってるロケーションジャパンのブースでの新潟県十日町市の越後サラダうどん。「からむし」という栄養満点な植物を麺に練りこんでいます。ホントおいしいですよ。

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これも東北地方じゃないんですが、成田市のソラあんぱん。さつまいもやゆずなどな練りこまれた餡がたっぷり入ったあんぱんです。成田市に行けば買えるんだったかな。

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ちなみに小泉政務官は全ブース回って、真剣に話を聞きながら試食してました。コミュニケーションって大切ですよね。

東北地方の誇る、究極のお土産10品が決定

どれもこれも美味しかったんですが、10人の審査員が心を鬼にして一品ずつ選んだ結果が以下になります。

国産無添加 ドライフルーツ「七果」
株式会社ワタスイ(福島県須賀川市)

Amulet of the Sun 太陽のレーズン/一房
佐藤ぶどう園(S.A.V) (岩手県花巻市) 

八戸鯖・水煮缶詰 缶内熟成1年セット
株式会社味の加久の屋(青森八戸市)

プチジェリチェリー
株式会社サエグサファクトリー(山形県寒河江市)

老舗の味つゆ
佐々木醸造株式会社(岩手県花巻市)

山形代表詰合せ7点セット
山形食品株式会社(山形南陽市)

平泉黄金バウム
株式会社ブルージュ(岩手県花巻市)

金華さば燻製 
本田水産株式会社(宮城県石巻市)

香木実
株式会社 長門屋本店(福島県会津若松市)

金のさんま
株式会社斉吉商店(宮城県気仙沼市)

●特別賞●お米の地酒かすてら
カム コミュニケーションズ株式会社(山形県坂田市)

何度も言うようですが、出品されていたお土産はどれも美味しかったです。究極のお土産の公式サイトには出品リストも載っていますので、もし東北に行く機会があったらぜひご賞味ください!

どこか取材旅行とかいきたいよね・・・。

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