気付いたら29冊も出版に関わっていて、今年はさらにあと3冊決まってるのですが、「なぜそんなに本を出し続けるのか」ということについて言及したことがなかったので、今回の記事はその辺りについて触れていきたいと思います。
最近、僕は本を書く、企画するにあたり3つのポイントを意識しています。
その3つのポイントとは、
- レッドオーシャンを独占するか、ブルーオーシャンを創り出す
- ピラミッド構造を意識する
- 新技術と時代の流れに気付く
です。
なお、ブルーオーシャン/レッドオーシャンについてはこちらの記事にまとめているので、あらかじめ読んだ上で以降の解説を読んでもらった方がスッと内容が入ってくると思います。
レッドオーシャンを独占するか、ブルーオーシャンを創り出す
そもそも時代的に書籍って売れづらいんですよ。ネットの情報で十分と言われてしまいますし、出版しても既存の本との競争になります。さらに毎月のように同ジャンルの書籍は発売されます。
そんな業界の中で生き残っていくためには、競争を避けるか、競争に勝ち続ける必要があります。
僕の著書が一番多い、ブログ・アフィリエイトのジャンルを図解にしてみました。
最初の単著はブログ飯なんですが、結果的ではありますがこの本はブログ哲学的なポジションを得ています。実はブログのテクニックやノウハウ本は多いんですが、マインドとか哲学ばかり書いてる本って少ない、というかほぼ無いんですよ。
そう、ブルーオーシャンの創造です。争いがないので、みんな買っていくんです。買ってくれてるよね。買ってよ!
さて、去年に出版した複業のトリセツはさらに外側のブルーオーシャンを意識しています。ブログ副業という具体的な行動に移して貰う前の地ならしですね。
このポジションもブルーオーシャンです。争いがないので、みんな買っていくんです。買ってくれてるよね。ねぇ、買ってよ!
しかしながら常にブルーオーシャンを創り出すことは大変ですし、ずっと維持していくことは困難です。追随してくるライバルは増え、青い海は赤く変化していきます。競争の始まりです。
僕の場合、レッドオーシャンで生き残っていくためにはコンビニなどで使われるドミナント戦略を使います。とにかく狭いエリアで書籍を出し続け、Amazonや書店の棚を覆っていくスタイルです。
確かPayPalのピーター・ティールが著書「ゼロ・トゥ・ワン」で「競争するな、独占しろ」と言っていた記憶があるのですが、レッドオーシャンの中をすべて僕の本にしてしまえば原理的に競争は生まれないんです。
現実的に完全独占することは難しいですが、毎年のように同ジャンルの書籍を出し続け、書店との信頼関係を高めていけば、棚を寡占することは十分可能です。
Amazonも同様に、がんばって売り続ければ選択肢を独占することが可能なわけです。
レッドオーシャンを覆い尽くすために、毎年のように毎月のように書籍を出しているわけです。
一方、レッドオーシャンを避ける場合は、少しだけポジションをずらしつつ、なおかつ読者層は多いであろうエリアを狙います。
直近で2冊、WordPressの入門書を出しました(注:予約中のものもあります)。
WordPress関連の書籍も完全にレッドオーシャンなんです。書店に行けば、どれを選んで良いのかわからないほど、大量の書籍が溢れています。
初心者向け、中級者向け、いちばんやさしい、よくわかる、仕事の現場で使える、エンジニアのための、教科書などなど、さまざまな文言が踊っていて、結局のところどれを買って良いのかわからない状況です。
未経験者は自分に最適な書籍すら選べないんですよ。
というわけでそのような未経験者向けに作った本が「はじめてのブログをワードプレスで作るための本」です。
サーバーやドメインは簡単に借りられて当たり前ではありません。手取り足取り、手順を追って一つ一つ寄り添いながら進めていく手引書になっています。このような未経験者層を意識して書かれた本って無かったんです。ある程度知識がある、初心者向けの書籍ばかりだったんです。
「WordPress」という正式名称ではなく、「ワードプレス」というカタカナ表記にしたのにも、手に取りやすさを意識しているからです。
WordPressの達人が教える 本気でカッコよくする WordPressで人気ブログ 思い通りのブログにカスタマイズす…
そしてもう一つ、4月4日発売予定の書籍の想定読者層は「脱」初心者ブロガーです。
デザインテーマは自分で設定できる、でも指示通りのことしかできない層って非常に多いんです。そう、僕です。でも、中級者向けの書籍って、デザイナー・プログラマー向けに書かれていて、必要以上に技術用語が盛り込まれています。
自分のスキルに対してオーバースペックの書籍は読む意欲を減退させます。そう、読まなくなるのは僕です。最低限必要な情報だけ欲しいんですよ。
ですからもっと具体的に想定読者層を定義すると、
- ブログは問題なく更新できる
- 好きなデザインテーマを選択し、マニュアル通りの調整はできる
- でももうちょっと自分らしさを出したブログデザインにしたい!
と、薄々思っている人です。僕です。
このように、レッドオーシャンを独占(寡占)するか、誰も意識していなかったブルーオーシャンを創出するために、テキストドランカーの日々を過ごしているわけです。
ピラミッド構造を意識する
1つ目のレッドオーシャン・ブルーオーシャンの話で、すでにかなりの長文になっているので、このピラミッド構造については簡潔にまとめていきます。
1つ目のポイントにもリンクするのですが、想定読者が多いポジションにサービスを展開しないと、数を売ることはできません。しかしながら、ピラミッドの上位層へのサービスは高価格化が可能になります。
売上を最大化させるためには
- 少人数に高く売る
- 大多数に安く売る
- 何度も買って貰う
この3つの要素を意識しておく必要があります(他にもあるんだけど、この記事にはオーバースペックなので割愛します)。
僕の得意とするポジションは中級者以下ですので、高額の書籍を提供することはできません。ですから、未経験者向けの手引書、マインドを伝える定番書、そして「脱」初心者したいスキルアップ層に向けて、リーズナブルな価格の書籍を出しています。
さらに技術は毎年進化します。要は技術書は毎年最新版が必要になってくるわけです。今回で言えば、WordPressの入力システムの大幅変更です。WordPressが4.xから5.0にバージョンアップして、記事の投稿画面が大きく変わりました。結果として、それまでの書籍の情報は完全に古くなってしまうわけです。
このようなことはよくあります。その横一線の状態からいち早く抜け出すことが、ブルーオーシャン創生に繋がります。
新技術と時代の流れに気付く
新しい技術、新分野に気付くことと、大きな時代の流れに乗るということは非常に重要です。
新技術を取り扱った書籍がGoogleマイビジネス本です。
食べログやぐるなび、ホットペッパーというポータルサイトの時代から、Google自体がポータル化していく時代へ変わってきています。上記の書籍は(おそらく)日本で唯一、Googleマイビジネスの専門書です。
テクノロジーの進化のみならず、社会情勢も変化しています。直近での目立つ変化は「働き方改革」と「超高齢化社会」です。
そう、介護と複業です。爆発的な大ヒットにはならなくても、長い期間、安定して売れる本を手がけることも重要な施策です。
というわけで、大きく3つのポイントについて書いてきましたが、何が言いたいかと言うと「新刊が出てるので、たくさん買ってね!」ということです、はい。