どうも、ブログ飯の人です、おはようございます。もう確定申告のシーズンですね。
で、いそいそと領収書や振込通知書を整頓していたわけですが、2014年は働いたなぁと実感いたしまして。一番の活動はやっぱり出版で、そもそもブログで収益を上げましょうと言っていた人間が、なぜかひたすら紙の本を書き続けているという稀有な一年でした。
おかげさまで2014年3月に出たネットショップの教科書に始まり、2015年1月のアフィリエイトの教科書まで、11ヶ月間で5冊の本を出版することができました。本当は2014年内に5冊いきたかったんですが、印刷所の年末進行の都合で1月にずれ込んだので「1年間で5冊」ではなく「11ヶ月間で5冊」という表現になっています。まぁ、ご愛嬌ということで。
ブログを書いている人は(書いていない人でも)、最終的には書籍を出してみたいという想いを持たれている人も多いと思いますので、あくまでも僕の経験上の話ではありますが出版に至るまでの道のりを綴っておこうかなぁと思います。
目次
出版までの大枠の流れ
「運」と「縁」と「タイミング」です( ̄^ ̄)エッヘン
いや、ホントこの3つって重要なのですが、これだけだと余りにも空き缶とか投げられそうなので、もう少し分解していきます。
1.どんな分野でもいいので実績を作る
僕の場合はブログでの集客と収益化という実績を持っていました。収益化もGoogle AdSenseやアフィリエイトなど複数のパターンを使っています。分野は問いませんが(ユーザーが多い分野の方が好ましいですが)、できるだけ複数の得意分野を組み合わせて、自分自身の独自性を高めておく必要があります。
「運」というものは自分の実力を伸ばしていけば自らの力で掴み取ることができるようになります。「運が悪い」と嘆いている時間があるなら、自分を成長させることに注力しましょう。自分が成長するに伴って「運が良い」と感じることが多くなってきます。
2.実績を体系化する
積み上げた経験をベースに、理論や方法、法則などを系統立てて、第三者が読んで再現できるような形にしておきましょう。僕の場合は、一つの成功事例を見つけ出したら、その法則を何回か別のブログでテストしてみて、効果が再現できるかどうかチェックしています。
1回だけうまく行ったというのは単なるマグレです。3~4回、同じような傾向が見られたら法則として考えてみても良いでしょう。
3.企画書を作る
どんな本を作りたいのか。読んでもらいたい人はどんな人なのか。内容(目次)などをまとめていきます。企画書のテンプレートは検索すれば出てきますので、その形式に沿って書いていっても良いでしょう。しかしながら企画書は本のアイディアが書いてあるだけではダメです。その本が売れるのかどうかを出版社にアピールしなければなりません。
出版社は売れる本を求めています。内容が濃いのはもちろんですが、その本が世間で受け入れられるのかどうかも記載しておきましょう。業界の大きさ、自分のブログや友人のブログでの拡散、講演会などでの直販。少なくとも初版分は完売できそうというイメージを、出版社の営業担当に感じて貰う必要があります。
4.編集者と知り合う
目に付いた出版社に企画書を持ち込む、出版エージェントを利用するという形もありますが、やはり編集担当者と知り合っておくというのは非常に重要です。自分の出したいジャンルの編集者でなくても紹介してもらえる可能性もあるわけですから。ここは「縁」の要素も強いですが、目的を持っていろいろな場所に足を運べばツチノコより簡単に見つかります。
5.書く
いくら企画書が通っても10万~15万字を書き上げなければ書籍にはなりません。多めに書いて編集時点で泣きながら削っていくと、結果として密度の濃い本ができあがります。20万字以上書くつもりでがんばってください。
6.売る
書いて終わりではありません。発売されたら全力で売りましょう。あるいは売っているかのように見えるアクションを取りましょう。自分のブログで紹介しても良いでしょう。お世話になった人、影響力の大きい人に献本しても良いでしょう。足を使って書店営業をしても良いでしょう。
特にデビュー作は増刷されるよう、最大限の活動をしましょう。毎年、数多くの作家がデビューしていますが、2冊目、3冊目を書いている人は決して多くありません。出版社も売れない本を出し続けるわけにはいかないのです。逆に一定数の販売が見込める作家に、執筆依頼が集中します。記念で出版したいのであれば別に無理して売る必要はないですが、これからも出版に関わっていきたいと考えているのであればがんばって動きましょう。
11ヶ月間で5冊出版した経緯
ふぅ、ようやく前振りが終わったので、実際に経緯の話に入っていきます。前の項目を実体験というより具体的な行動に落とし込んだ内容ですね。
最初の2冊は2013年の著作ですが、2014年に繋がる話にもなっているので入れておきます。
プロが選ぶ WordPress優良プラグイン事典
2013年3月発売の書籍ですね。WordCamp Tokyo 2012で仲良くなった運営メンバーがWP-Dというブログを開始しまして、そのブログに出版社からWordPressのプラグイン本を出さないかという打診があって作られた書籍です。
WP-Dのメンバー10人ぐらいで手分けして書いているので僕は20ページぐらいしか書いてませんが、出版デビューの思い出深い書籍です。
ブログ飯 個性を収入に変える生き方
2013年6月発売の書籍です。僕の単著デビュー作で、先日、おかげさまで10,000部を超えました。元々、僕はXperia非公式マニュアルというブログを運営していたのですが、その流れで日本Androidの会という団体に所属していました。そのメンバーにインプレスの編集さんが居たというのがきっかけになります。
インプレスといえば、当時、プロブロガー本でウハウハだった(←個人の感想です)のですが、「僕、違う角度でブログ系の本のネタあるんですがどうでしょう?」と聞いてみたのが始まりです。ちなみに僕の編集担当はプロブロガー本の担当とは別の人です。
で、企画自体は2012年5月から始まって、脱稿したのは2013年の4月末(嫁のパートはなんと6月2日)。1年以上悶絶した記憶があります。
発売後はブログでの拡散はもちろん、関東近郊の書店をひたすら回ってポップを置いてもらっていました。紀伊國屋書店での染谷昌利フェアなんてミラクルも有りましたねぇ・・・。
成功する ネットショップ集客と運営の教科書
2014年3月発売の書籍です。ここから怒涛の日々が始まっているわけです。この本も2012年9月に開催されたWordCamp Tokyo 2012が関係していて、WordPressの教科書を書いたプライムストラテジー社のブースで、担当の編集さんが出版したい人向けに面談をしていたんですね。元々、知り合いだったプライムストラテジーの中村社長に連れられて、のこのこと伺ったところ「ネットショップの本書かない?」って言われまして。
当時はブログ飯の執筆中だったので企画だけ進めていきましょうという流れになったのですが、そもそもネットショップの運営概念は分かっていても実運用なんてしたことなかったんですね。で、半年以上リサーチに費やしたんですがどうしてもリアリティが生まれないので、実際にネットショップの運営実績が有り、アフィリエイトサービスプロバイダに勤務していた鈴木さんを共著に巻き込みました。
ネットショップ運営のノウハウや事例などを鈴木さんに話を聴きながら、そして僕の理論や概念を織り交ぜつつ、脱稿したのが2014年1月ぐらい。発売が2014年3月となりました。これも企画段階から考えると1年半ぐらいの時間がかかっています。実体験ではないモノを文章にするには裏付けとなる情報量が重要になってくるので、ここでのリサーチは非常に勉強になりました。
Google AdSense 成功の法則 57
2014年7月発売の書籍です。実はこの本はWP-DのGoldさんという人が書いた「Google AdSenseだけで家族を養ってきた僕が、今までやってきたブログ運営術をガチで解説するよ」という記事を読んだソーテック社の編集さんがGoldさんに書いてもらいたいという問い合わせから出版された書籍です。Web上に放置されていた記事に、出版社が興味を持ってコンタクトを取ってくるというパターンがあると教えてくれた書籍でもあります。
さすがにGoogle AdSenseは僕の得意分野なので、この原稿自体は2ヶ月ぐらいで書き終わりました。コンタクト自体は2013年の年末なのですが、ネットショップの教科書を書いていたので、企画書は確か2014年の2月ぐらい、原稿を書き始めたのが3月~5月ぐらいですね。
おかげさまで1回増刷がかかっております。
できる100ワザ Google AdSense 必ず結果が出る新・ネット広告運用術
できる100ワザ Google AdSense 必ず結果が出る新・ネット広告運用術
2014年9月発売の書籍です。出版社はブログ飯でお世話になったインプレスさん(編集担当は別の人)です。Google AdSense成功の法則が書き終わったタイミングで、「できるシリーズでGoogle AdSense考えてるんですけどどうですか?」という打診があって、「いやいや、つい最近、別の出版社でGoogle AdSenseの原稿書き終わったんですけどw」ってやんわり断ったら「切り口変えてくれれば大丈夫ですよ(にっこり)」という流れでできあがった書籍です。
そのためGoogle AdSense成功の法則が個人向けとしたら、できる100ワザGoogle AdSenseは法人のWeb担当者向けになっている感じです。編集プロダクションのサポートがあったおかげで1ヶ月半ぐらいで脱稿してますが、その後の編集作業がスケジュール的に綱渡りだったと聞いています。
人間、やればできるもんだなぁと思い知らされました。
WordPressプロフェッショナル養成読本
2014年10月発売の書籍です。これは共著なので僕のパートは20ページ(2万字)ぐらいです。これもWordPress関係者に依頼が来て、そこから僕にお声がけいただいた案件です。できる100ワザの方が発売日早いのに、こっちの本の方が締め切り早かったので9月2日には書き終えました。締切は8月末でした。その分、できる100ワザの納品も遅れました。両社の編集者さんすみません。
SEOに関してはそれまでの本ではそれほどフォーカスして書いていなかったので、新分野として良い経験をさせていただきました。あと、掛け持ちはいろいろと支障が出るのでできるだけ控えましょう。
世界一やさしい アフィリエイトの教科書 1年生
2015年1月発売の最新作です。イケダハヤトさんとの共著ですね。Google AdSense成功の法則の発売後にソーテック社の編集さんから「染谷さんの周りでアフィリエイトに詳しい人って居ませんかね・・・?」と聞かれたので(おそらく罠)、「いま書いてる本が終わってからでもいいなら書きますよ」とつい言ってしまい、書くことになりました。
本音を言うと一人で書くこともできたのですが、完全に本の執筆に飽きていたのと、僕一人で書くとやっぱり一人の目線だなぁと思って悩んでいたところ、イケダハヤトさんがアフィリエイト始めたという記事を偶然見かけて、「おお、これはスパイシー!」と思って共著のお願いをさせていただいた経緯があります。
この本の原稿自体は11月頭には脱稿していたのですが、最初にも書いた通り、印刷所がパンクしていたので1月発売になりました。改めてアフィリエイトのことを学び直しましたが、昔よりもかなりシステム的にも良くなっていることを再認識できてよかったです。アフィリエイトいいですよ、アフィリエイト。
売るのです
もちろん、自分のブログで全力でPRしてます。ブログ飯の時は献本をかなりしたんですが、最近は事例として掲載していただいている場合の御礼と、あとはコワーキングスペースなど数多くの人の目に触れやすい場所に寄贈しているだけにしています。
なぜならネットショップの教科書で「安売りするな」とか「無料で配るな」とか「購入してもらうことの重要性」を述べてしまっているのです。物凄く自分で自分の首を絞めています(キュー。でも、買ってもらうだけの価値を提供していると自負していますので、興味があれば買ってくださいね←
あと、書店巡りは本当に重要視しています。Amazonや楽天ブックスってやっぱり書店の一つなんですよ。だから、実店舗の書店も大切なんです。おかげさまで関東近郊の大型書店30~40店舗ぐらいの担当者とご挨拶ができる関係性が生まれていますが、これってやっぱり実際に訪問しないと発生しない関係なんですよね。今では行けばすぐにポップ飾ってくれます。ありがたい限りです。
まとめ?
本を出したいと思っている人の何か参考になればいいのですが、あくまでもこれは僕の事例なので、実際にはご自身の状況に当てはめて方法を模索してください。
ちなみによく聞かれるのですが、書籍自体ではそんなに稼げません。掛ける労力と収入が比例しないという表現の方が正確ですかね。ただ、1冊出すことで次の展開が生まれてきます。次の本の依頼が来るというのもそうですし、肩書となって講演やコンサルティングの依頼が来るというのもそうでしょう。その付加価値を上手に活用できるというのが出版するメリットの一つでしょう。あと、親が喜びます。
今年は本を出したい人向けのワークショップを、編集者さんや出版プロダクション、著者を交えて開催したいなぁと考えています(←去年も言ってた)。それと、今携わっている本の原稿が終わったら、このブログ記事の内容をもっともっと膨らませた出版飯(仮)という本でも書こうかなぁと考えていたり、考えたくなかったり。もし興味のある出版社さんがあれば問い合わせフォームからご連絡ください。なければKindleで出します。