以前にこんな記事を書きました。
いくら方法論を学んでも時代の変化によって使えなくなってしまう可能性が高いからです。気づかぬうちに時代は激変しています。今しか使えないノウハウよりも、時代の流れを理解し乗っていく考え方を身につけた方が読者のためになると考えらからです。
もしかしたらブログ飯の書き方に似ているかも知れません。あの本もテクニックの紹介を極力避け、思考法や心構えを重点的に書いています。
知識を得て行動している人と、知識はあるものの行動に移していない人との差は明確です。知識すらなければ、変動する時代の波に飲み込まれてしまうかも知れません。ぜひ本書を読んで、2020年以降の時代に対応する準備をしてください。
この記事はどちらかというと理念を伝えるために書いたのですが、今回は裏話的な内容に寄せて書いてみようと思います。
そもそも、DMMさんから出版企画の相談を受けたのは2018年2月ぐらいです。
当時、僕のオンラインサロン「ギガ盛りブログ飯」の担当者だった方(以降Kさん)が(現DMM PUBLISHINGの中の人)、
出版業界に詳しい染谷さんにお聞きしたいのですが、、、
というメッセをいただきました。
ほら、僕って深読みとかしないで聞かれたことに素直に答える子なので、知っていることを(よほどの暗部を除いて)お伝えしました。出版業界のこと、編集者の個性や特徴、契約周りのこと、書店への配本、発売後のプロモーションのことなどなど。
そんな感じでKさんと適宜、情報交換をしていたら1ヶ月後ぐらいに、DMMのオフィスに呼び出されて
という流れに(※多少、誇張したり端折ったりしてますが、だいたいこんな感じ)。
出版までの流れを整える
出版までの大雑把な流れは以下の通りです。
企画出し→企画会議→企画決定→書く→ひたすら書く→心折れても書き上げる→脱稿(原稿終わり)→編集(推敲)+DTP→初稿出し→修正(校正)→第二校→校正→最終稿→チェック(ほとんど変更なし)→入稿(校了)→印刷→配本→販売開始
9月発売ということは8月末にはデータが完成して印刷所に入稿する必要があります。編集作業に1ヶ月はかかるだろうから遅くても7月中には脱稿している必要があるわけです。
えっと、いま4月末でノープランなわけでして、企画を固めるのに1ヶ月ぐらいはかかるとして5月中にテーマと項目(目次)を決めたとして、執筆期間は実質2ヶ月ぐらいです。
テーマについては最近のホットワードでもあり、僕も以前から温めていた「複業・副業」でいくと決めました。
文章についてもオンラインサロン内で限定公開しているコンテンツが50本ぐらいありました。コンテンツ1本の文章量が2,000字ぐらい、他にも1本2万字を超えるような長文コンテンツも数本あったので、文章のストックも充分にありました(結局、ほぼ書き直したのであんまり役立たなかったんですが)。
ただ、2つ大きな課題がありました。
一つは、僕の方で同時進行の書籍が3冊ぐらいあったという点です。さすがに締め切りキツイかなぁと思ってたんですが、飲みに行くの減らしたら、無事に全部締め切り守ることができました。飲みに行かないだけで、どんだけ生産性上がるんだよ。
もう一つの課題は、DMMさんの体制です。出版レーベルの立ち上げは新規プロジェクトなので、人員も予算も潤沢ではありません(染谷肌感覚)。
専属の編集者もデザイナーも居るわけではありません。すべて1から制作グループを作っていく必要があります。そこで僕が気心の知れたフリーの編集者さんを巻き込み、Kさんがデザイナーや印刷会社、そして流通先を手配するという役割になりました。
おー、これでなんとかなると思っていたら、さらに一つの疑問が。
あれ?校正作業を誰やるんだ…?
校正作業ってたくさんの目が必要なんですよ。僕や担当編集さんがいくらチェックしても、何度も原稿読んでいると脳内で勝手に変換されて誤字に気づかないんですよね。
出版社には校正担当の人員も居るぐらいで、本当に重要な作業になります。誤字脱字だらけの書籍って大丈夫かな?って思うでしょ?ブログ飯なんて4刷まで誤字脱字あったんですよ←
オンラインサロンメンバーに協力してもらおう
と、ちょっとだけ悩んだんですが「そういえば僕には仲間が居たじゃないか」と、オンラインサロンのメンバーに協力してくれないか依頼してみました。
そもそも、原稿は早い時期から共有していて、読みづらい、分かりづらい箇所を指摘してもらえるようお願いはしていました。
そのゆるいお願いから、複業のトリセツ出版サポートチームという体制作りをオンラインサロン内でおこないました。
打診の結果、8人のメンバーが手を挙げてくれて、それはもう、大量の誤字脱字を見つけてくれました。本当にありがとうございます。
他にもサロンメンバーには、
書籍のタイトルのアンケート協力をしてもらったり、
書籍の付帯サービスでもある「複業のトリセツ実践サロン」のオブザーバーとして参加してもらっています。オブザーバーとしてもっと発言してくれてもいいんですよ!
ファーストペンギンの責務
多くの方のご尽力で、書籍「複業のトリセツ」は生まれたわけですが、僕としてはこの書籍を広めていく仕事が残っています。
なぜかというと、「DMM PUBLISHING」というレーベルと、「複業」というワードを冠した書籍のファーストペンギンだからです。
「ファーストペンギン」とは、集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛びこむ1羽のペンギンのこと。転じて、その“勇敢なペンギン”のように、リスクを恐れず初めてのことに挑戦するベンチャー精神の持ち主を、米国では敬意を込めて「ファーストペンギン」と呼びます。日本でも、NHKの朝の連続ドラマでそのエピソードが紹介され、広く一般に知られるようになりました。
ファーストペンギンとは、最初の一歩を踏み出すベンチャー精神に敬意を示す言葉です。銀行や生命保険会社、日本初の女子大学設立に尽力した広岡浅子を主人公のモデルとした…jinjibu.jp
複業のトリセツが売れることで、DMMオンラインサロンのオーナーたちが出版する機会を継続することができます。そして、複業、パラレルキャリアをテーマにした書籍を書こうと考えている著者(著者を目指す人)も、同様の企画を通しやすくなります。
新規ジャンルの書籍を出版するのは出版社としても賭けの部分があって、最初の書籍が売れないとそのジャンルの企画はストップすることが多いです。
売れれば類似本が書店に並び(一時期、◯◯が9割って本ばかりでしたよね)、売れなければそのジャンルの企画はお蔵入りになっていきます。
事実、直近でとある新サービスをテーマにした書籍が発売されたのですが、その本の売れ行きが悪くて、僕が提出した同ジャンルの企画はほとんど凍結状態になりました。
業界は見ています。だからこそ売る責務があるわけです。
有隣堂アトレ恵比寿店で複業のトリセツが、正面メイン、レジ前柱、ビジネスエリアメイン、自己啓発棚と怒涛の4箇所展開なんですけど、なにこれすごい。 pic.twitter.com/SPjRKoMRNk
— 染谷昌利 / 複業のトリセツ (@masatoshisomeya) 2018年10月2日
青山ブックセンター本店さま@Aoyama_book
ビジネス書新刊棚と美容棚で発見😊
ありがとうございます!!#選ばれる条件 #DMMパブリッシング pic.twitter.com/5hiXy3DkCM— DMM PUBLISHING (@DMM_PUBLISHING) 2018年9月28日
書店回りもやります(DMM PUBLISHINGさんもやってくれています)。
書籍に入り切らなかった情報を補足するためのサポートサイトも作りますし、行動に移してもらうためのサポートコミュニティも運営します。
明日、10月4日には紀伊國屋書店新宿本店でのトークイベントも開催します。
ここまで書いてきた想いや裏話も話したいと思いますので、お近くの方はぜひ足を運んでくださいね。会場でお待ちしています(Kさんがモデレーターだよ!)。