2018年10月にさいたま市産業創造財団主催の創業セミナーで登壇する機会がありまして。
内容としては、これから情報発信にチャレンジしようと思っている人向けのセミナーになっています。ブログやSNSの初心者・未経験者が誤解しがちなポイントを10個挙げて、その誤解を解いていくという形式にしてみました。
その内容をざっくりとではありますがシェアします。スライドも最後の方に全部公開しています。
情報発信にまつわる10の誤解
1.インターネットは魔法の集客ツールだと思っていませんか?
ネットに掲載しただけでは意味がありません。
最近は減りましたが、ウェブサイトを作りさえすればお客が来るようになると思っている事業主が多いです。
断言します、そんな事はありません。今の時代、ウェブサイトはあるのが当たり前で、上手に活用しなければ集客につなげることはできません。
2.売れない・広まらないのは知名度が無いからだと思っていませんか?
知名度がなくてもヒット商品は生み出せます。
なぜこれらのサービスは大ヒットしたのか考えてみてください。
メルカリ
TikTok
前汗キャッチャー
クラッシュボックス
PRESSo
確かに現在はメルカリは有名です。でも、最初から有名だったわけではありません。TikTokもそうです。広告を打つ前から、数多くのユーザーに愛されています。
なぜ前汗キャッチャーは必要とされたのか。なぜクラッシュボックスは年間売り上げ目標の4,000台を大きく上回り、約1万4千台、3億7,800万円の売り上げとなったのか。
なぜPRESSoは新商品であるにもかかわらず、プロジェクト開始後1時間で目標を達成し、11月7日現在1800%もの達成率になっているのか(当初の目標が低すぎなんじゃねとか言うな)。
多くのユーザーに愛されるにはいくつかの理由がありますが、ここでは3つだけその要素を紹介します。
i.昔からあったサービスをテクノロジーで便利に変化させた
ii.購入者層を明確にし、適切な情報発信をおこなった
iii.コミュニティを構築した
ひとつひとつ丁寧に説明するとそれだけで2時間のセミナーになってしまうので割愛しますが、上記3つのヒントを参考にして考えてみてください。
自分の頭で考えるということは本当に大切です。考えが思いついたら、Twitterか何かで投げかけていただければ、僕の考えを述べさせていただきます。
3.良い商品だから売れると思ってはいませんか?
良い商品でも知ってもらう努力をしなければ売れません。良い商品でも伝わらなければ存在していないことと同じです。
「食べてもらえば、使ってもらえば良さをわかってもらえる」というのは生産者のエゴです。いまの世の中、商品の質が良いのは当たり前で、その良さを伝える能力が重要であり、差別化になります。
数年前にこんなレポートを書きましたが、どの地域も「伝える」ということに頭を悩ませているんです。
4.好きなことではお金は稼げないと思っていませんか?
好きなことを仕事にしている人は世の中にたくさんいます。
僕自身、これからの時代は「好きなこと」「得意なこと」は、それだけで優位性になると思っています。理由は明確で、
i.好きなこと・得意なことは熱量が違う
ii.熱量の違いは不思議なことに伝播する
iii.結果として協力者が集まりやすい
からです。何事も一朝一夕で結果は出ないですし、継続こそが成功の近道です。言い換えると好きなことしか続かないんですよ。
会社で嫌々働いているのであれば、自分のことぐらい好きなことをしてもよいんじゃないですか。もちろん、会社の仕事が大好きなのであれば、全力で本業に注力しましょう。
5.お金を使わないと集客できないと思っていませんか?
無料(あるいは低コスト)で集客できるツールはたくさんあります。代表的なものはブログとSNSです。やり方によっては取材を受けて、無料で記事化してもらえる場合もあります。
お金がないのであれば、知恵と行動で挽回しましょう。お金があるのであれば、広告を出したり、誰かに依頼したりしても良いでしょう。
お金は出したくない、でも誰かにやってもらいたいというのは無理な相談です。
6.あなたの得意分野が誰の悩みを解決するのか考えたことはありますか?
ビジネスは誰かの悩みや困りごとを解決することからはじまります。それはインターネットでの検索行動も一緒です。
人間は悩んだときに検索します。例えば、冷蔵庫の材料でできる料理、旅行先の美味しいお店、結婚式前日にできてしまったニキビを目立たなくする方法。
悩みの大小はあれど、なんとかしたい、でも近くに相談できる人がいない場合に、検索窓に悩みを相談するわけです。
その疑問にあなたのブログやSNSで発信している文章が答えていれば、読者にとってその情報は価値になります。
価値が積み上がることによって訪問者は増え、結果として商品やサービスが売れるようになります。しかしながら商品が売れるまでにはいくつかのステップがあります。初めて情報発信した翌日に結果が出ることなんてありません。そこには必ず継続が必要になります。
7.自分を出すことが怖いと思っていませんか?
あなたは誰ですか?
安心感、信頼感から商品を買ったことはありませんか?
知らないもの、不安を感じるものにお客様は近づきません。
ただ、自分を出すということと、実名顔出しは違います。匿名での発信でも信頼度は高められます。それは発信している情報の精度です。情報の価値を高めることで、読者はあなたの発信を信頼してくれるようになります。
とはいえ、現実社会でビジネスをしたいのであれば実名の方が好ましいのは確かです。
8.ブログとSNSの使い方は一緒だと思っていませんか?
ブログは能動的に情報を探しに行くプラットフォーム、SNSは受動的に情報が流れてくるプラットフォームです。
前項でも書きましたが、人は悩んだときに検索します。検索結果に表示されるのはブログやウェブサイトの情報です。SNSの発信が上位評されることはほとんどありません。
TwitterやFacebookなどのSNSは興味のあるアカウントやすでに交流のある人をフォローしているはずです。タイムラインに流れてくる投稿を読む時はどんな状況ですか?
インパクトのある画像やフレーズがあったとき、あるいは好きな人の投稿ではないですか?
両方の特性を学び、メリット・デメリットを認識した上で併用することが好ましいです。
9.勤務先が副業禁止だから何もできないと思っていませんか?
副業が禁止でも情報発信力を身につける練習や準備をしておきましょう。
副業は収入を得ることだけではありません。僕としては副収入以外に3つの大きなメリットが有ると思っています。それは、
i.スキルアップ(特に情報発信力)
ii.信用を稼ぐ
iii.コネクション構築
の3つです。
信用やスキルはいつでもお金に変えられます。情報発信に収益化のプログラムを組み込む、知識をシェアする有料コミュニティを構築する、クラウドファンディングで協力者を集うなど、自分の能力を高めておけば、課金ポイントはどこでもいつでもいいのです。
10.いますぐ起業しなければいけないと思ってはいませんか?
初期投資の大きなビジネスはリスクも大きいですし、最初から成功する人は少数です。起業したあとに慌てるのではなく、起業前に最大限の準備をしておくことが大切です。
起業する前に必要な準備は今までの9つの項目で開設しました。信用度を高め、コミュニティを構築しておくことで、ローリスクでビジネスを始め、継続することができます。
セミナースライド
誰かがやってくれると思っていませんか?
スライドにはもうちょっと細かく事例も入れているのでご覧頂きたいのですが、実はこの10個の疑問+αがあります。
それがこの記事のタイトルにもなっている「誰かがやってくれると思っていませんか?」という点です。
誰もやってくれません。実行するのはあなたです。
僕は講演の最後によく使うフレーズがあります。それは「セミナーやワークショップを聞いたあと、すぐに行動に移す人は1割もいません。1ヶ月後続いている人は3%いれば良い方です。だから最初の一歩を踏み出すだけで行動力お化けですし、1ヶ月続いたら継続力お化けです。それだけ人は行動も継続もできないんです。今までやったこと無いというのであればなおさらです。」という言葉です。
誰もやってくれません。実行するのはあなたです。ただ学ぶだけでなく、ぜひ行動に移してみてください。