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躍年の中心で愛を求む vol.6 〜貧乏、イジメ・・・波乱の過去〜

こんにちは、鬼嫁です。
街はクリスマスイルミネーション一色ですね♡
普段は自宅のSM部屋で研究に明け暮れるインドア派の私ですが、
この時期になると自然に心が弾み、オシャレ心に火がつくから不思議です。
ついついボンテージを脱ぎ捨て、普通のママみたいに
子供とお揃いのニットで決めて、街を闊歩するのも悪くないな~☆
・・・なーんて思ってしまうのは、この季節ならではのマジックかもしれませんね(*^-^*)

ということで、、善は急げと親子3人でお揃いのお洋服を買ってみましたヽ(*^∇^*)ノ

tutan01


ドーン!

ファラオ&ツタンカーメンのTシャツですv(≧∇≦)v
お友達のお店で販売していたましたが、一目惚れして大人買いです!
クリスマスディナー、初詣、カルタ会にプランタンの初売り・・・
これからは、マサオにこれを着せて四つん這いでお散歩させるだけで
新手の羞恥プレイが楽しめるイベントが目白押しですv(≧∇≦)v

ツータンTシャツとコーディネートできる、首輪とリードを新調して
さらにワクワク心をアゲていきたい今日この頃です。

・・・てなことで、今日も元気に行ってみましょうヽ(^0^)ノ
『厄年の中心で愛を求む vol.6』!!

 美容会社・Xの仕事にも慣れてきたミミコは2つの事に気付きました。

 1つは、恋愛対象になる殿方が全くいないということ。
扱っている商品やサービス(美容)を考えればすぐ解るのですが、
従業員をはじめ、社長や幹部も全員女性。
しかも普通の男性じゃ太刀打ちできないアマゾネスが勢揃いで、ただでさえ希少な男性社員は

1.オーラを消して萎縮する
2.「営業」と言って外に出たきりになる
3.相川さんのように、ゲイならではのセンスを仕事に活かす

・・・その3つより生き残る道はありません。

そんな状況ですから、健全な男性はすぐに会社を辞めてしまうそうで、
女性社員の殆どが、家族以外の男性としばらく口を利いておらず
男性との会話の仕方を忘れてしまったという人も結構いました。
特に私の配属先である宣伝部の勤務時間は深夜にまで及ぶので
合コンなどの色恋にかける時間は全く取れません。
それが証拠に、勤務1年以上の女性社員は全員、独身&彼氏ナシでした。

も・・・もしかしてコレって、会社の選択を間違ったパターン?

にわかに私は焦りました。
気付けば三十路超え、気付けば彼氏いない歴3年、売れない脚本家歴5年・・・
貯金もなければ、夜更かしすると星飛雄馬のようにヒゲがうっすら生えるうえに
翌日は人としてまったく機能しません。
しかも最近、鼻の中にキラリと光るものを確認したんですよ。
白髪だなんて一言も言っていません。
ただね、鼻腔の中に白く光るものが・・・。゚(゚´Д`゚)゜。ウァァァン。

し・・・暫く泣かせて下さい。

何も聞かずにしばらく泣かせて下さい
何も聞かずにしばらく泣かせて下さい



ええ。何となくそうじゃないかと思ってはいましたけど、今まで目を背けてきました。
ずっと若くて健康で、女として売れ頃食べ頃だと信じていましたが
それは「信じたかった」だけなのだと気付いてしまいました。
リアルの私は金なし、彼なし、若さなし、そのうえ定職もなく、
家も弟の家に居候(しかも冷暖房&風呂なし)という、ナイナイづくしの
ギリギリ人生を送っていたのでありました(^o^;)。

でも、夢だけは見ていたかった・・・(遠い目)
いつか、なにもない私のところに素敵な王子様がやってきて
一戸建てのおうちと、ちゃんとした食べ物と、超音波の美顔器と、あったかいお風呂を
ポーンと目の前に差し出してくれたら、どんなに素晴らしいことでしょう♡
ああ、あったか~いお風呂で、いっぱーい足をのばしてみたい・・・

あいつ、キレイになった~(*^o^*) by五郎
あいつ、キレイになった~(*^o^*) by五郎

そんなことを思いながら、ドンキで激安で買った謎のカップ麺に
ドンキで激安で買った業務用の切り干し大根をたっぷり入れた定番ランチを
ひとりポツンと机で食べていると、隣の席の奥田さんが
ゴミくずをせっせと私の机に投げ込みはじめました(;゚Д゚i|!)
呆然とする私を尻目に、奥田さんは聞こえるように呟きました。

「やだ~。異臭がするから、ゴミ箱かと思った♬」

・・・おいコラ、今何つった???
このアバズレ界の女帝を、よりによって「ゴミ箱」に例えるとは不届き千万!!

「うちは美とセレブ感を売りにしてるんだからさ、
 お前みたいなビンボー女が居たらアウトなんだよ。分かんだろフツー」

奥田さんは、今までと打って変わって
しっかりとした男性口調&小声で私を中傷しました。
かと思ったら、下のフロアから上ってきた相川さんを見かけるやいなや
「ごめ~ん♡ おまたせ~!!」と内股で駆け寄り、ピタッと寄り添い
ランチに出かけてしまいました。

ただただキョトンとするだけの存在と化した私に
向かいの席の野村さんが声をかけました。

「・・・これがダミーの意味よ。
 奥田はね『職業オネエ』なの」

な、なんですとーーーー?!

つまり、9割がた女性で占められた、
しかも上司と幹部は全員アマゾネスなこの会社で
自分を守りながら出世していくためには
益荒男ぶり全開に正論を振りかざすよりも
オネエ言葉でブリブリっとシナを作る方が効果的だと
奥田さんは考えたようです。
これがもう1つの気付き・・・そう、彼は職業オネェという新ジャンルを生み出し
この会社で生き残る『第4の道』を見出したのです!!

しかし、自分を偽り続けると、必ず皺寄せが来るものです。
そのひずみは、自分より弱い立場の人間をいじめるという形で
発散されてきた縮図が見えてきました。
出入り業者、飛込み営業さん、そして新入社員・・・
特に若くて可愛い女性はオネエの嫉妬というキャラ設定にも一役買うため
格好の餌食となりました。

私が若くて可愛いかどうかは置いといて、奥田さんの直属部下で
隣に席を構えていた私は、ま~最後までゴミ箱担当でした。
最初は平気なフリをしていた私も、数ヶ月後にはゲッソリやつれ
過呼吸や嘔吐を繰り返すようになりました。

心もかなりヤラレてしまい、ついには手に取る事すら憚られた
「愛されてお金持ちになる幸せ習慣」やら
「キラキラ女子の夢を叶える魔法ブック」的なタイトルが並ぶ
書店のコーナーに、フラフラ~っと足を運ぶようになっていました。

そこはアバズレ女王の私が、絶対に居てはいけない場所のひとつです。
しかし、Fさんに振られ、元カレに結婚され、エセおかまからイジメられた私は
もはやイメージなどどうでも良くなっていました。
それほどまでに、傷ついた私は『女の幸せ』を渇望するようになってしまったのです。

<vol.7に続く>