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鬼嫁は見た!医療崩壊の片鱗 〜ナースとベットが足りなくて〜

2020/04/25

こんにちは、鬼嫁です。

2020年4月1日にスタートした、鬼嫁によるブログ企画『春は手術でI’ll be back!』も、今日で6回目となります。前半3回は「なぜ私が持病を抱え、4度も手術をし、色々と世の中に発信したくなったのか」を語る為に、妊娠中期(5ヶ月〜)に出会った サタン こと産院Bの院長についてお話をさせていただきました。

本来なら、2020年4月13日に行われた4度目の手術の前までに サタンや病気について語り終えたかったのですが、なんだかんだとモタモタした結果、伝えたい事の1割にも満たない状態で手術本番を迎える運びとなってしまいました😭。ああっ!!早くサタンの話の続きを皆さんにお聞かせしたい!!

サタンへの溢れる慕情は、退院後も収まるどころか日に日に増す一方・・・。居ても立ってもいられなくなった鬼嫁は、自宅療養中の弱り切った身体だというのに、サタンのイメージ画をリニューアルしてしまいました。例えるなら、雨の中を傘もささずに裸足で走っていくような、のっぴきならない衝動とでも言いましょうか。あ、もしかして、この気持ちは ?・・・これが という感情なの?(←違)

「ビバ自然分娩!」by サタン

少々脱線したので、話を戻しましょう。さて、以前のイメージ画(サタンのイラスト)は、某フリー素材サイトから拝借してきたもので、院長(サタン)のイメージとズレがあったのが気になっていました。なので退院後、さっそく頭の中に描いた通りのサタンにイメチェンさせていただく事に❤️ うん、だいぶ本物のイメージに近づいたぞ!

という訳で、ビジュアルも刷新された事だし、サタン(産院の院長)について続きを話したいのも山々ですが、その前に皆さんにお伝えしたい事が発生してしまったのです。それは、私が9日間お世話になったM病院の医療現場の話です。

この記事を書いているのは、2020年4月25日。新型コロナウィルスによる感染症(COVID-19)が世界的に猛威を振るっています。そんな時期に、図らずも入院&手術した鬼嫁は、今まさに起こっている医療現場の景色や温度を身をもって体験する事が出来ました。

たったの9日間でしたが、実際の現場で見た事・感じた事などを今回は書かせていただこうと思います。どうぞ、最後までお楽しみください!!

入院の醍醐味・ベテランナースはどこ?

以前の記事にも書きましたが、私がお世話になったM病院は、特殊な処置・医療機器が必要な患者が集まる、紹介状が必要な病院です。そのため、付き添いやお見舞いの方への制限も厳しく、新型コロナのPCR検査および陽性患者の受け入れはしない方針とのことでした。(院内に貼り紙がしてあった)

さて、入院初日に記憶を遡りましょう。病室に入り、若い担当ナースから諸々の説明を受けた際、手術に必要な腹帯を用意するよう言われました。あいにく用意がなかったので、腹帯をゲットしに 夫のマサオ氏と売店に足を運びました。探検気分で、キョロキョロ辺りを見回しながら歩みを進めていくと、マサオ氏がある事に気付きました。

「あれ?・・・ベテランナースが いない・・・」

ほんとだ・・・。少なくとも、今まですれ違ったナースは、男女問わず全員が20〜30代といった感じです。なぜマサオ氏がベテランナースを気にしていたかというと、過去の入院でたびたび、私がクセが強いべテランナースから謎に翻弄される 様子を見て、陰でコッソリ笑うのがマサオの楽しみだったからです。

後々、このブログでも書こうと思ってますが、家庭では圧倒的絶対王者の鬼嫁が、ベテランナースというレアキャラ相手に苦悩する姿をせせら笑おうと、マサオ氏は期待していたのでしょう。しかし視界に入ってくるのは、若いナースの姿ばかりです。

では、そもそもM病院には若いスタッフしか居ないかというと、そうではありません。受付にも各フロアにも、相応数のベテランさんがいたはずなんですが・・・あの方々は 一体どこに行っちゃったんでしょうか?

そうか!謎は全て解けた(金田一少年風に)

「出でよ、ベテラン!!」と叫んでみたところで、年配の看護師さんは現れず・・・。手術後は家族でもお見舞い禁止になるので、結局マサオは、念願のベテランナースに会うことなく病院を後にしました。

そして術後の鬼嫁ですが、前回の記事にも書いたようにチューブに繋がれた寝たきり生活を3〜4日ほど送る事となります。その期間、私をお世話してくれるのは、やはり若いナース数人(しかも同じ顔ぶれ)でした。

現場で働くのは、仕事ができそうな20〜30代ばかり。まるで、IT系スタートアップ企業のようです。「M病院も、ベンチャー企業に倣ってスタッフの若年化を始めたのかな? 特に入院病棟は体力勝負だし、若さに勝るものはないからなぁ・・・」などと呑気に思いつつ、ベットの中でスマホ(主にTwitter)をいじってました。すると、下記のような内容のツイートが目に飛び込んできました。

「20代看護師だけど、お子さんや高齢者を抱えてる同僚が自宅待機してるので、しばらく休めてない」

 
・・・あ!これだ! だからベテランナースがほとんどおらず、毎回、同じメンバーが出勤してたのか。。。

上記は私のツイートですが(↑)、こんな状況下でも明るく働く現場のスタッフ達。疲れた顔も、不満や不安も見せず、患者を気にかけてくれるのが、本当に心強かったです。

当事者としては「いや〜、当たり前に仕事をしているだけだよ」と思うかもしれませんが、私のような患者にとっては、だただた有り難く、眩しい存在に感じられました。私が20代の頃に、こんな事出来たかしら?(いや、絶対にできないし、今も出来る気がしない)・・・と思うと、命の現場で働く方々の人間力・精神力に つくづく頭が下がりました。

ビニールとサイレン

先ほども書きましたが、手術後はチューブに繋がれるため、基本的にベットの上で過ごします。その後は回復状況に合わせてチューブが外れていくのですが、その頃になると「寝てばっかいないで歩け」と命ぜられます。なぜなら、手術の合併症である 血栓症癒着 を防ぐには、筋肉や血流に刺激を与えられる「歩行」が一番効果的だからです。

というわけで、手術した傷口はめちゃめちゃ痛いのですが、病室の廊下をヨロヨロと往復する日々が始まりました。実は手術で、下腹部にカッチカチに固いスリッパ大の異物を仕込まれた私。異物のおかげで、振動や体重移動も一苦労なのですが、歩くうちにだんだんコツを掴み、ついに病院のエントランスにまで足を運べるようになりました。イェイ!!

そして、入院から一週間が経ったある日の朝。いつものようにエントランスまで歩いてみると、何と!受付やインフォメーションなど、カウンターというカウンターにビニールの仕切りが据え付けられているではあ〜りませんか!!

スーパーのレジなどで見る、こういうヤツです。

政府からは緊急事態宣言が発令され、医療施設の院内感染や、医療崩壊の話が取り沙汰されている昨今。ガードが堅く、「コロナ患者の受け入れやPCR検査はしない」と言い切っていたM病院にも、確実に新型コロナの波が忍び寄ってきたのを感じました。

まさか、病院からつまみ出される?

散歩から戻った私は、スマホで 韓流ヤンキー漫画 を読み耽っていました。すると、救急車のサイレンが聞こえてきました。昨晩あたりから、サイレンを聞く事が少し多くなったなぁ・・・と思っていると、担当医の内田先生(仮名)をはじめ、執刀チームの面々が「回診でーす」と言いながら、ぞろぞろと病室に入ってきました。

内田先生「お子さんと会えなくて寂しいでしょう。チューブも取れたので、いつ退院してもいいですよ」

・・・へ? 早くない? 当初の予定では一週間〜10日ほど入院するって言ってたじゃん!
こちとら、へそ下から股まで切開→異物まで仕込んだ満身創痍の身。・・・傷口めっちゃ痛くて寝付けないんですけどーーー😭

と心の中で叫ぶよりも先に、担当ナース・君島さん(仮名)が笑顔で被せてきました。

君島ナース「おうちでも静養できるように、痛み止めは十分出しますんで!」

内田先生「病院にいても家にいても、やる事は同じですよ。寝て、食べて、歩いて・・・の繰り返しなのに、わざわざお金払って病院にいる必要ないでしょ」

またしても登場。今日も素敵な内田先生(イメージ)

な、な、なんだ。。。みんなして、急ににじり寄ってきて!
そんなに私を退院させたいのか!?

3つの要素を混ぜてみたら・・・

とりあえず「家族と相談します」と内田先生に伝え、いったん状況を整理してみることに。これまでの流れを見てみると、ここ最近で3つの大きな変化がありました。1つ目は、いきなり私を退院させる方針に舵を切った担当チーム。2つ目はカウンターに張り巡らされたビニール。3つ目は、急に頻度が上がった救急車のサイレン 。これらの要素をシェイカーにぶち込んで、シャカシャカ振ったら・・・こんな結論に至りました。

陽性さんの受け入れを開始したんじゃね?(小声)

これは全くの私見ですので、本当かどうかは解りません。でも、そう考えると、すべての点が繋がる気がします。私が病院に長くとどまる事は、ナースとベットの数が足りない病院にとっても、術後で体力と免疫が落ちた私にとっても、良いことが1つもないんですよね。だから内田先生やナース達は、双方の幸せの為にも、早く私を帰宅させようとしたのだと思います。

※注)このブログでは、お世話になっていた病院 および 私の個人情報などが特定しにくいような構成にしてあります。

そんなわけで、現場の足を引っ張らず、かつ、自分を大切にする意味でも、一刻も早く退院するのが賢明だと悟った鬼嫁ですが、夕方に 下肢全体が赤紫に変色しているのを発見!!血栓症や麻痺の傾向が見られたので、退院の話は保留になってしまいましたとさ😅
※注)変色と麻痺は治ったので、2〜3日後に無事に退院いたしました〜!

医療現場の労働環境が良くなりますように

以上、駆け足ではありますが、私が入院中に垣間見た医療現場のエピソードでした。全ての病院がこのパターンに当てはまるとは思いませんが、私がお世話になったM病院は「現場にいるのは若いスタッフばかりで、粛々と仕事をこなしているが、ナースの数はギリギリで、ベットは足りてない感じ」という印象でした。

なので、今は何とか回っているM病院も、何かの拍子にイレギュラーな事が起きたら、すぐにでも医療崩壊が始まる可能性はあるかもしれませんね。とにかく、鬼嫁をホスピタリティ満載でお世話してくれたM病院のスタッフさん達が、安心・安全な環境でお仕事が出来るよう・・・そして、新型コロナウィルスの一刻も早い収束を、切に願うばかりです。

〜続く〜