はい、どうも。みなさんこんにちは。「ショック・ドクトリン-惨事便乗型資本主義の正体を暴く」という本を読み終わりましてね。今日はそのことについて書いてみようかと。
この本は上下巻に分かれており、「惨事便乗型資本主義=大惨事につけこんで実施される過激な市場原理主義改革」について多くの事例を元に解説しています。
上巻は主に、CIAの拷問手法等の実例から人間にショックを与えることによる様々な影響について述べられており、いやーんな感じになります。下巻では同様に国家にショックを与え、ショックで思考回路が止まっているうちに様々な改革を推し進めていく事例を紹介しています。
本編の内容
上巻については結構凹むのでさらっと流しますが、人間の古い病的な行動様式を破壊して改善するには、まず白紙状態に戻す必要があるという学説が述べられています。ありとあらゆる衝撃と恐怖を与え(いわゆる拷問)て、デパターニングする必要があるということです。1950年代の精神病棟で行われた処置や、戦争や紛争時に使われた洗脳手法についての解説が述べられています。
6章以降からそのショック・ドクトリンが経済政策に使われるようになってきた事例が載ってきます。サッチャー政権で行われた政策、ポーランドや南アフリカ、ロシアで行われた軍事クーデターや暴力的弾圧に便乗した経済政策の裏側について書かれています。
下巻はロシアの資本主義化からイラク戦争、そして自然災害の復興に乗じた産業(利益)の搾取について詳細に解説されています。911の裏側で資本主義はどのように動いたのか、スマトラ沖地震で発生した津波に便乗してどのような再開発が行われたのかなど、日本国内の情報だけでは掴めなかった内容が書かれています。
要はどうなのよ
直接的に自分自身に関係あるかと言われるとそんなに無いんですが、何か大きな事件や災害が発生した際、そこに便乗して何かが起きるのではないかという観察眼を身につけることができるかもしれない書籍です。
災害や大きな事件が発生した時は、なかなか落ち着いて物事を判断できる状況ではありません。だからこそ逆に、災害発生時を狙って大きな変革を起こそうと考えている勢力も居るのだということを認識しておくだけでも、何かしらの対処ができるかもしれません。
基本的にこの手の本は学術書に近しいので、読み進めて数分で瞼が重くなる類の書籍ではありますが、これから先、惨事や大事件が発生した際に大多数の人間とは違った視点で世界を見たいというのであればがんばって読み進めてみても良いかと思います。
ショック・ドクトリン〈上〉――惨事便乗型資本主義の正体を暴く | ||||
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ショック・ドクトリン〈下〉――惨事便乗型資本主義の正体を暴く | ||||
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