時代の変化にフィットした、新しいスタイルのマネジメントを知りたい時に読む本

今日の記事は久しぶりに書評です。

久しぶりにとか言ってますが、実はこう見えて本は結構読んでるんですよ。でも記事にしていないだけなんです。でもでも、今日ご紹介する書籍は必ず記事にしようと決めていたので、ベンチプレス時にブリッジしすぎて重くなった腰を奮い立たせて書いています。

その本とはこちら。

《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方

《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方

藤村能光「サイボウズ式」編集長
1,620円(09/23 05:47時点)
発売日: 2019/06/28
Amazonの情報を掲載しています

この本、巷でオウンドメディアのお手本として紹介されているサイボウズ式の編集長である藤村能光さんの単著デビュー作です。

藤村さんには、コンテンツマーケティングの常識複業のトリセツでインタビューさせていただいたり、直近では販促・PR・プロモーション ネット戦略のやさしい教科書で共著させていただいたりと、本当にお世話になってるので完全依怙贔屓目線で書きます。

こんなご丁寧なサインまでいただいてしまった…。僕なんてプロに作ってもらったのにも関わらず練習してないから蛇がうねったようなサインしか書かないのに、これは藤村さんの丁寧な生き方を象徴してますわ。ナイスサウナ。

「未来のチーム」の作り方を読んで、メモった項目と僕の感想

僕、本読みながらスマホのGmailアプリにメモを保存しておくんですが、その内容がこちらになります。

メモと一緒にブログの書き出しなんかも一緒に書いてたりしてます(一番下)。というわけで、以降、すごく長い感想を書いていきます。

テクノロジーとアナログの融合

著者である藤村さんはグループウェア「キントーン」を提供しているサイボウズで働いています。グループウェアというと、「いかにITで業務を効率化させるか」という印象が強いと思います。

もちろんテクノロジーの導入によって業務は効率化されます。しかしながら効率化の弊害として社員(メンバー)同士のコミュニケーションが減ってしまう場合もあります。

この本のメインテーマは業務効率化ではありません。個人の能力の最大化でもありません。藤村さんという媒介を通じて、「チームとして働き、一緒に成長する」というサイボウズの想いがノウハウと共に紹介されています。

グループウェア導入による情報共有化

改めてグループウェアの仕組みを簡単に解説すると、

グループウェアとは、企業など組織内のコンピュータネットワークを活用した情報共有のためのシステムソフトウェアである。ネットワークに接続されたコンピュータ同士で情報の交換や共有、またスケジュール管理等の業務に利用される様々な機能を通じて、業務の効率化を目指したものである。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%82%A2

ということになります。

グループウェア導入によって、間違いなく業務は効率化されます。同僚のスケジュールも閲覧できますから、ミーティングの設定や議事録の共有など、手帳や電話時代とは情報のやりとりにかかるスピードが大きく変化します

サイボウズでは情報の透明化が社員の能力を伸ばし、チームでの仕事がやりやすくさせています。

仕事は結果だという意見ももちろんありますが、サイボウズでは結果に至るプロセスの共有を重要視しています。

なぜその企画が生まれたのか、当初の方針はどうなっていたのか、なぜ失敗したのか、その失敗による学びはなにか、どのように方針転換してゴールに辿り着いたのか。

これらの情報が全社員自由に閲覧でき、そして自分の学びに繋げています。

失敗の共有

人は失敗を隠したがるものです。

会社員であれば査定に響く可能性もあるわけですから、失敗時点での情報はひた隠し、挽回して利益につながった結果だけアピールする人もいます。挽回できずに、損失が雪だるま式に大きくなって、にっちもさっちも行かなくなってから報告される場合がほとんどだったりするんですけど。

サイボウズでは失敗の情報を共有することで、同じような経過をたどってしまう人への予防線になっています。失敗を恥ずかしがることなく公開できるのが、サイボウズの企業風土であり、安心して相談できる職場環境を創ることで、失敗の芽を小さなうちに摘み取ることができます。

ではこの失敗を許す(というか気にしない)企業風土はどのように創られているのでしょうか。

効率化の時代だからこそ雑談の重要性

ITで業務の効率化を図るグループウェアを提供しているサイボウズですが、本書ではテクノロジーを過信してはいけないと言っています。オンラインでできることには限界があるのです。

そこで重要視しているのが「雑談」です。

面白いのが、業務として「雑談」があるという点です。ちょっとしたことでも顔を合わせて相談できる、特にテーマを決めずにアイディアだけ投げてみる、趣味のサウナについて暑苦しく語る、サイボウズの「雑談」はなんでもOKです。

雑談を繰り返すことによって信頼関係が生まれ、なんでも話しやすい職場環境になり、アイディアやノウハウの共有に繋がります。その一部として失敗情報も喜々として語られるわけです。

サイボウズの話ではないのですが、僕が人事担当をしていた企業でも「失敗大賞」という制度がありました。その年で一番大きな失敗(損失でも経験でも)をした人を表彰しようという、傷口に塩を塗りたくるような評価制度なのですが、信頼関係があれば笑って話せるんですよね。

ミーティングのあり方

サイボウズは一人ひとりの環境や働くことへの想いを尊重し、出社時間や在宅勤務日、勤務場所などがかなり自由に設定できます。100人100通りの働き方とも表現しています(人事担当者大変そう…)。

インターネット環境さえあれば、グループウェア「キントーン」を通じていつでもどこでも働くことが可能です。だからこそ、「顔を合わせる」時間を非常に大切にしています。先述した雑談もその一環でしょう。

ミーティングでは会議室に実際にいるメンバーもいれば、遠隔(テレビ会議)で参加するメンバーもいます。

ミーティングの議題やアイディアは事前に共有されます。でも人間の想いはそう簡単に言語化できるものではありません。言語化できないことはツールで共有できないんです。事前に集まったアイディアを基にミーティングで話し合うことで、はじめてその想いを形にすることができるわけです。

さらにミーティング参加者全員が話すことが得意な人ではありません。誰かの発言に割って入るタイミングを掴めない人だってもちろんいます。そのため、ミーティング中にチャットを解放しています。

テキストであれば喋るの苦手な人でも意見を言いやすいですし、他人の発言を待つ必要もありません。忘れないうちにメモとして投稿しておくこともできます。

そして、そのチャットのログは簡易議事録になります。臨場感のあるテキストが残るというのは、それだけで会社の財産になります。

単なる情報管理ではなく、集合知のプラットフォームに。これがサイボウズの考えるグループウェアの意義なのでしょう。

キントーンである必要はない

本書はグループウェアを取り扱うサイボウズの藤村さんが書いているので、どうしても「キントーンでは~~」という内容が多くなります。

でも世の中には便利なオンラインツールがたくさんあります。

Googleは、ドキュメントやスプレッドシート(WordやExcelみたいなもの)や、カレンダー、メール、ハングアウト(オンライン会議システム)といったサービスを無料で提供しています。ドキュメントは多人数で編集可能ですので、議事録などを同時に書き込むこともできます。

Slackというコミュニケーションツールも無料で利用できます。

自分たちの環境に合わせたツール選択をすることで、コストを掛けずに業務を効率化し、そしてメンバー同士で情報共有することが可能な時代になったんです。

とにかく本を読んでみて

と、ここまで長々と書いたのですが、これってほんの一部の内容です。

もっとツールのこと、コミュニケーションのこと、チームビルディングのこと、そして藤村さんの失敗体験がたくさん載っていますので、新しい働き方に興味がある方はぜひ手に取ってみてくださいね。

《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方

《働きやすさ》を考える メディアが自ら実践する「未来のチーム」の作り方

藤村能光「サイボウズ式」編集長
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