僕、普段は古いビジネス書とか哲学書とか、心が折れる類の本を眠気に耐えながら読んでるんですけど、最近、小説に凝ってまして。
実は中学、高校時代はロードス島戦記とかフォーチュン・クエストとかの角川スニーカー文庫をひたすら読んでいて、両方とも30周年というめでたいタイミングで新章が始まったり、完結編が始まったりと、それはそれは目が離せないわけです。
で、今回の感想文は角川スニーカー文庫とは全然関係ないんですけど←、ぼんやりと王様のブランチを見ていたら「賞金稼ぎスリーサム!」という本がBOOKコーナーで紹介されておりまして。
この「賞金稼ぎスリーサム!」のあらすじを聞いていたら、なんかすげぇ面白そうと思って、その場でAmazonでポチって、翌日、丸1日で一気に読み切ってしまいました。
内容についてはネタバレになるのでAmazonに載ってる程度しか書きませんが、かなり面白かったという感想です。そんなにミステリーに詳しくなくても、エンターテイメント小説として楽しめると思います。
ストーリーも面白かったのですが、一番驚いたのが登場キャラクターの濃さです。
介護離職した元敏腕刑事 藪下浩平(←まぁわかる)
警察マニアのイケメン御曹司 桐生淳太郎(←!?)
あらゆる狩猟資格を持つ敏腕ハンターで白いワンピースを好む美少女 上園一花(←!?!?)
なにこの主役たち。荒唐無稽な組み合わせじゃないですか?
実際、この不思議な組み合わせの三人が、報奨金を300万円かけられたペットショップ放火事件を解決していくというストーリーなのですが、これだけ個性の強い三人ですから、もちろん意見がまとまるはずもありません。
特に藪下浩平が残りの二人を煙たがっていたのですが、次第に三人が自分の得意分野を活かし、チームになっていきます。そして犯人を追い詰めていくという王道の流れなのですが、とてもスリリングでスピード感溢れていて、ページをめくるにつれてグイグイ惹き込まれていきます。
また、舞台が東京の下町(主に墨田区)で、知っている地名が記載されているので妙な現実感があるんですよね。事件現場は架空の住所になってるのですが、おそらく森下とか大島とか、そのあたりをイメージしていると思います。なので現地の情景が思い浮かぶんですよ。
ラストは読んだ人によって印象は変わると思いますが、おそらくシリーズ化するつもりなんだろうなという終わりになっています。僕はアリだと思いますが、ちょっと不満足に感じる人もいるかもしれません。
300ページ超で、文字もかなり小さめな作りなのですが、キャラクターの強さと展開の速さ、そして詳細に作り込まれた設定によって、まったく長さを感じさせずに一気に読ませる筆力の凄さを感じました。こういう文章書けるようになりたいなー。
オススメです!
&こちらのインタビュー記事もおもしろいですので、合わせてぜひ。