以前に「医者には書けない!認知症56のヒント」というKindle本の紹介をしました。
で、そのKindle本が再編集され、新書として再リリースされることになりました、工藤さんすげぇ。
簡単に書籍の内容を振り返ると、祖母・母のダブル認知症介護者の立場で、医師・ケアマネージャー選びから介護体制作り、介護者のメンタル面、介護者の働き方、認知症のいろんなヒントなどをまとめた書籍になっています。介護は今後、僕ら世代にとって避けては通れない道です。何かがあってから学び始めるよりも、今のうちに知識だけでも得ておくことで初期の対応も変わってきます。60歳を超える親を持つ人は一読しておくと良いでしょう。
で、内容については書籍を読んでもらうのが一番なのですが(前回の記事でも書いてますしね)、「はじめに」と「終わりに」に非常に興味深い文章があったので、その辺をご紹介したいと思います
わたしはアルツハイマー型認知症、ピック病という違うタイプの認知症を同時に介護するという貴重な経験をしましたが、介護しているうちに、祖母の預金通帳を、母が3冊とも捨ててしまうというまさかのハプニングもありました。そのお金を介護費用に使うために、祖母の成年後見人になりました。成年後見人は全国でわずか14万人です(2013年末時点)。やむを得ずなった後見人ですが、こちらもかなり貴重な経験です。
はじめにより
「大変だね」とよく言われますが、この生活が続けられるのは、じつはハッピーなんです。逆にできない時というのは、母の独居が厳しくなるときと、わたしがブロガーとして生活苦になったときです。
一般的には困難とされていることでも、取り方ひとつでプラスにも考えられます。これは認知症にも言えることで、介護者の気持ち次第では笑いに変えることもできます。
極限まで追い込まれていないからそう言えるのかもしれませんが、今後も極限は見たくないです。だから工夫に工夫を重ねて、とことん楽しもうと思っています。終わりにより
著者の工藤広伸さん、実は僕のコンサルのクライアントなんですが、とても明るくて好奇心旺盛で研究熱心な人なんですね。僕も旅行に行ったり、筋トレしたり、ベルトに穴あける方法を解説したり、何かしら体験したらブログとかのネタにするタイプの人間なんですけど、工藤さんの場合、これから日本が進んでいく高齢化社会に向けて皆が経験するであろう課題を発信してるんですよね。パソコンに焼酎ぶちまけたことを喜々として書いてる僕とは、お役立ち度のレベルが違います。褒めたので印税でご馳走してください。
以前(もう2年前か・・・)に僕はこんな記事を書きました。
この記事にも書いている通り起きている事象って一つなんですよ。それを当事者がどう判断するかなんですね。ネガティブな方向に振れたら大変だとかつらいだというマイナスの感情になりますし、ポジティブな方向に振れたらやりがいとか好奇心というプラスの感情になります。工藤さんの場合、一般的にはマイナスと感じられることが多い経験をポジティブに解決していった結果、出版まで至ったのだと思います。
現在介護をされている人、これから親の介護を考えていかなければいけない人はもちろんですが、ブログで発信者として活躍したい、いずれは自分の経験を本にしたいと考えている人にとって学びの多い一冊になると思いますよ。
Amazonでは11月4日発売になっていますが、紀伊国屋や丸善ジュンク堂などの一般書店ではすでに売ってます。東京の八重洲ブックセンターではなんと3箇所に面陳列されてましたすげぇ。