こんにちは、鬼嫁です。
さてさて突然ですが、私には4つ年下の弟がいます。
エリートビジネスマンにして、見事なM字ハゲを所有するドMな兄の話は
以前に一度したことがありましたが(詳しくはこちら)
その兄にも勝るとも劣らないキャッチーでファンタスティックなキャラクターが
今回ご紹介する弟なのでございます。
この弟、何がスゴいって、常識の超え方がハンパないんです。
非常識という訳ではありません。常識に忠実すぎるあまり
結果的に「常識」という枠を軽々と壊してしまう才能の持ち主なのです。
例えば、彼が小学5年生の頃。
社会のテストで『( )に当てはまる言葉を書きなさい』という問いに対して
彼は堂々と、( )の中にことばという文字を書き込んでいました。
(注;小学1年生ではありません。小学5年生というのがミソです)
中学・高校と進学してもその才能は健在で、夕方いそがしい母に
「お風呂見てきて〜!」と言われた弟は、お風呂をじっくりと眺めて
「見てきたよ〜!四角かったよー!」と答えてみたり、
新宿を真珠区と理解してたりしたそうです。
その後彼は、社会人になった私と同居し、都内の理系大学に通うことになるのですが
安定のはじけっぷりで、度肝を抜かれる伝説の数々を展開していきました。
例えば、近所のコンビニでバイトを始めて数ヶ月が経った頃。。。
一緒にレジに入った友達が、宅配便の受付をしていた時に
宛先の「様」の文字を二重線で消して「御中」と直していたのに感動した我が弟。
その大人な技を早速使ってやろうと思ったのでしょうか。
翌年の年賀状は「田中一郎御中」「山田山男御中」など、友人という友人の末尾に
御中を書きまくっていたから驚きです(;゚Д゚i|!)
こんな調子で社会人になってからも、ま〜色々と武勇伝はあったわけで
さすがに呆れた私は、兄(ドM)に相談したのですが、その結果
ヤツの想像力の振り幅は、極端に短くて狭いという結論に至りました。
普通の大人ですと、何か提案する時や、誰かから指示を受けた時
まず頭の中で相手(周囲)の気持ちや、近い未来をシュミレーションします。
それを「慮り(おもんぱかり)」「機転」などと言ったりしますが、
彼の機転は、50mくらいしか息が続かないようなのです。
なので、長期的&広範囲の配慮が出来ず、お風呂が四角いと言ってみたり
友達に御中をつけて年賀状を出してみたりするのではないか、と・・・。
さて、今日はこんなオープニングからスタートしましたが
この弟の信じられない伝説の数々が、実は本文に大いに関係してきたりしますので
楽しみにしていて下さいヾ(´^ω^)ノ
・・・てなことで、今回も元気に行ってみましょう!
『躍年の中心で愛を求むvol.10 ~慮りの短距離ダッシュ〜』
さて、ジュンイチ君ですよ。
ジュンイチ君をご存知ない?・・・そんな方はコチラをご覧下さい→☆
強烈なインパクトだけを残して、私の恋愛戦線からあっけなく離脱していった
タカさんに代わり、赤丸急上昇してきたジュンイチ君。
山手線の駅のロータリーに落ちていたという設定は
空から女の子がふってきたという、世のヲタ男子の萌え心を凝縮したシチュエーションで有名な
天空の城ラピュタを彷彿とさせる何ともファンタジーな設定に
ミミコのボルテージは上がりまくったものでしたv(≧∇≦)v
「フッフッフ・・・牙を剥いた私も悪いが、落ちていた君にも責任はあるんだよ?」
心の中でほくそ笑みながら、タクシーの後部座席で私に身体を預けるジュン様に
気になっていた質問をぶつけてみました。
「ジュンイチ君、年はいくつなの?」
すると彼は、息も絶え絶えにこう答えたのです。
「じゅ・・・19歳・・・大学2年生です」
しかも干支はキレーに一回り年下・・・(*T_T*)
・・・OH!ジーザス(≧∀≦)
・・・いつの頃からでしょう。私は年下の男性しか興味を持てなくなっていました。
社会が、仕事が、人生が「こんなもんだ」と知っちゃった、諦めモードの同世代や
ベイエリアや高層ビル至上主義が染み付いちゃってる、時代錯誤なバブル世代などを
社会で散々見てきたせいか、もう見飽きてしまったのかもしれません。
21世紀に突入するあたりから、私はフレッシュ!夢と希望世代(勝手に命名)という
20〜25歳くらいまでを範囲とする、社会にデビューして間もない年の男子ばかりに
心を奪われるようになっていました。
この世代の男子の持つ「こんな大人になるんだ!」「こんな仕事で社会貢献したい!」
という未来への憧れがギューっと詰まった、屈託のない笑顔と輝く瞳が大好きで
いつしか私はFさんをはじめ、主にアンダー25の男性に対して
欲情を禁じ得ない性分になってしまったのです。
しかし今回は、アンダー25どころか、アンダー20・・・つまり未成年ですv(≧∇≦)v
そして現役の大学生・・・ああ、心なしか彼のPコートから、懐かしいキャンパスの香りが漂ってくるようです♡
あぁこれが若い男性ホルモンの匂いね、などと変態もびっくりの妄想を展開しているうちに
タクシーが私の住む木造モルタル2階建てのアパート(良くニュースで燃えてるやつ)に到着しました。
あまりに本格的なあばら家ぶりに、一瞬彼の表情が素に戻りましたが
そこを何とかごまかしごまかし(笑)、熱でよろめく彼を部屋へと担ぎ込みました。
幸い、同居人のリトルブラザーはまだ帰宅していない様子です。
私はジュンイチ君の靴を自分の部屋にしまい、薬を飲ませ、布団を敷いて寝かしつけました。
「ありがとう、ミミコさん・・・」
ジュンイチ君は力なく笑うと、フッと目を閉じて寝息を立て始めました。
さて、どうしよう。。。
お姉さんもね、今日は色々あって疲れているんだよ。そしてネット恋愛に破れ、傷ついているんだよ。
そしてそして、お姉さんも人間なんだよ。愛されたいし、愛し合いたい生き物なんだよ。
・・・布団は一組。そしてここは私の部屋。
さすがにムチやローソクは出しませんが、かれこれ3年も男性というシロモノに触れていないので
どう対応して良いのか解らなくなってる私がいました。
そんな時ふと、以前どこかで聞いた海女さんの話を思い出しました。
大昔にスペインだったかメキシコの船が座礁した時、多くの船員達の冷え切った体を
地元の海女さんが裸で包んで暖めて、命を救ったという話です。
「よし、コレだ!」
私は早速、寝ている彼に語りかけてみました。
ミミコ「ジュンイチ君、寒い?」
ジュンイチ「・・・(寝息)・・・」
・・・でしょうね!!(/_;)
まぁしょうがない。私も病人を犯すほど鬼畜ではございません。
私は自分が変な気を起こさないためにも、彼の足の方を枕にして
顔を合わせない形でひとまずは寝ることにしました。
そして翌朝。事情が掴めないような顔のジュンイチ君に
ここまでの経緯を順を追ってお話ししました。
ジュンイチ君は布団の上で正座をし、ドずっぴんの私を相手に
深々と頭を下げて、嬉しそうにこう言いました。
「拾ってくれてありがとうございます」
え・・・?乳も垂れかかったおばさんですが、きょうび珍しいほどの強烈なあばら家ですが、
スエットはドンキで799円ですが、こんな私にジュンイチ君は感謝してくれるんですか?
「見も知らぬ俺のことを、ミミコさんだけが助けてくれたんです。
それにミミコさん、32歳には見えないし、すっげぇ可愛いし♥」
きゅん♡
私のハートの奥から、聞いた事のない音がしました。
事件だ、こりゃ事件だ!
このハッピーな事件がどこかに行っちゃう前に、急いで畳みかけなくちゃ(≧∀≦)!
私は冷蔵庫から在り合わせのものを出し、野菜入りの牛乳がゆを作ってジュンイチ君に振る舞いました。
そして、お互いの趣味のこと、将来の夢のことなどなど・・・時間も忘れて語り合いました。
若い男の語る青臭い人生論♪ そして汚れのないキラキラした瞳・・・☆
その魅力にクラクラしながら、私は細胞という細胞にフレッシュな息吹を刷り込みました。
夕方になり、彼を駅まで送る道すがら。
突然私の方を向いたジュンイチ君が、ふと思い出したように言いました。
「ねえ・・・俺たち、付き合っちゃう?」
な、な、なんでしょう、この少女マンガのようなシチュエーションとセリフは・・・o(≧ω≦)o
あまりの急展開に頭が真っ白になった私は、ただ頷くしかありませんでした。
「クリスマスイブは、一緒に過ごしてくれる?」
「もちろん♡」
こうして、チープな恋愛ゲームのような展開を経て
私は彼氏いない歴3年というキャリアにピリオドを打ったのでした。
・・・と言いたいところですが、その2日後に約束したデートを
ジュンイチ君は直前になってキャンセルしてきたのです。
理由は欲しい靴(2万円)に出会ったので、デートするお金がない
という驚きのものでした。
全く共感は出来ませんでしたが、おばさんという圧倒的弱者である立場と
やっと捕まえた彼氏に逃げられても困るという理由から、
「解った。でもクリスマスイブは空けておいてね」と、その時は了承しました。
クリスマスイブは元々、脚本の取材が入っていたのですが
ジュンイチ君と過ごしたいが為に、2日後に約束をズラしてもらうことにしました。
それは容易いことではなく、関わってらっしゃる多くの方に迷惑を掛けることでもありました。
そして迎えたクリスマスイブ・・・
当日の朝起きて、彼からのメールを読んでおののきました。
ミミコごめん!仲間と沖縄に行くことになって、旅費を稼がなきゃならなくなった(泣)。
ということでイブもバイトすることに。26日は空いてるから、その日にパーティしよう☆
・・・はい?
靴の件といい、今回の件といい、私のスーパーコンピューターが
「理解不能、理解不能」とアラート音を繰り返して止まりません!
そしてあまりの驚きっぷりに、仰け反りすぎてイナバウアーが止まりません!
すると、何気なくつけていたテレビからこんなフレーズが聞こえてきました。
「だいたいやねぇ。最近の若いモンちゅうのは
こう言動したら、こんな風になるっちゅーのを深く考えられない奴が多いわな。
信じられないくらい非常識なことを、悪びれもせずやってのける。
本も読まんし、哲学もせんし、何でも簡単に済ませられるのが当たり前やから
当たり前に人や世の中を思いやれないっちゅーわけやな。
そういうのを想像力の欠如と言うんや」
“想像力の欠如”・・・この言葉に、雷に打たれたような衝撃を受けました。
そう、コレよコレ!私が言いたかったのはこの言葉だわっヽ(≧∀≦)ノ
つーか、ウチの弟も間違いなくコレじゃん!!
全ての謎が解けて興奮した私は早速、今聞いた評論家先生の言葉を元に
ジュンイチ君に対して抗議のメールを打ちました。
君とイブを過ごす為に、何人の関係者が予定を変更したと思っているのか?
どれだけの人が迷惑を被ってると思うのか?それが分からない君は
明らかに想像力が乏しい人間だと思う。そう、君に足りないのは「想像力」だ!
悔しかったら想像力を鍛えてから出直すんだな。フハハハハ!!!
もっとロングなメールでしたが、かいつまんで言うとこんな内容のメールだったと思います。
いや〜、メールを打ってる間は楽しくて楽しくて・・・v(≧∇≦)v
タカさんの時にもグッとこらえていた相手への不満を、がっつりデトックスした感じでした♡
得も言われぬ爽快感に包まれた私は、何の迷いもなく「送信」のボタンを押しました。
フフン、これで少しは身に沁みるだろう・・・私は彼を善き道へ導けた自分を誇らしく思い
彼が謝罪してきた時に、どんな風に受け止めてやろうかと妄想を繰り広げていました。
<vol.11に続く>