いまさら言うまでもないのですが、テスラモデル3は電気自動車なので、給油のためにガソリンスタンドに通うことがなくなります。
では充電はどこでおこなうかというと、充電器スタンドや自宅充電がメインになります。今回の記事は、普通・急速充電器スタンドの探し方や利用法、自宅充電、電気料金について解説します。
目次
電気自動車の自宅充電について
電気自動車購入で一番考えなければいけないのが充電スポットです。
自分の駐車場の近くに充電器スタンドがあるのであれば、スタンドを常時利用するということも可能ですが、自宅で充電できるようにしておくと非常に便利です。
なにせ割安の深夜電力で夜に充電器をセットしておけば、朝にはかなりの量が充電されているからです。
テスラの場合、 ウォールコネクター(自宅充電器)の設置費用か、CHAdeMOアダプターのどちらかが車両価格に含まれています。
↑このいずれかですね。
価格は以前に書きましたが、CHAdeMOアダプターが55,611円(税込み)です。僕はウォールコネクターの設置費用の方を選択したので設置費用はテスラ負担だったのですが、ブレーカーの外部設置6,000円、ケーブル8メートル追加が2,250円の追加料金がかかりました。
後ほど書きますが、急速充電器スタンドを利用する場合はCHAdeMOアダプターが必要になりますので、外出が多い人は(外出先でも充電できるように)CHAdeMOアダプターも購入しておくことをお勧めします。
ウォールコネクターの自宅工事
ではウォールコネクターの自宅工事の模様です。
電気工事業者さんはテスラの推薦する業者さんに依頼するのが一般的ですが、自分で探すことも可能です。
電気工事業者とメール(電話)でやり取りして、設置スケジュールを決めます。ウォールコネクターは業者さんが発注してくれるのが一般的ですが、念の為確認しましょう。工事日までに自宅に届きます。
あとはもうひたすらお任せです。時間的には工事の規模にもよりますが、一戸建てであれば3~4時間ぐらい見ておくと良いかもしれません。
うちの場合(太陽光発電+オール電化)は、家の外にテスラ充電用のブレーカーを増設する形になりました。
右側の小さい(黒い)方がテスラ充電用の3Aブレーカーです。
このブレーカーからの電気をぐるっと家の裏側に回して、途中から軽く埋没させて2/3周ぐらいさせます。この延長ケーブル分と外部ブレーカー設置代が実費負担になります。
家の右側から左側にケーブルを引き、そして外壁にウォールコネクターを設置します。
ウォールコネクター自体のケーブルもかなり長いので、本体に引っ掛けておくと邪魔になりづらいです。
充電のスピードは16A使ってだいたい1時間に20kmぐらいです。このアンペア数はディスプレイの左下の+-で調整可能ですが、下げれば下げただけ充電時間が伸びます。
なお充電中はウォールコネクター側、モデル3側共に緑色のライトアクションがあります。
電気使用のバランスを考えないとブレーカーが落ちる
我が家の電気契約容量は9kVA(40アンペア×2+太陽光1kVA)になります。ブレーカーが落ちるのは、端的に言うと、同時に40A以上の電気を使ったときなんですが、テスラモデル3の充電は最大で16A使用します。
基本的にテスラの充電は夜間電力でおこなうのですが、うちの中ででかい電力使うのが、電気温水器(夜間電力)、ドラム式洗濯乾燥機、エアコン(200V)になります。
いろいろな検証をした結果、テスラ充電+1つ使用であれば問題ないのですが、充電含め3つ同時に使うと結構な確率でブレーカーが落ちます。
夜間にモデル3を充電し、エアコンをかけっぱなしにしておくと、自動的に電気温水器が湯沸かしを始めて、朝起きたらブレーカーが落ちているということもあります。
最初のうちは頻繁にブレーカーを落としていて、その都度、外のブレーカーボックスを開けて復旧させてました。ちょっと面倒だったので、アンペアを上げようとも思ったのですが、そうなると設置したブレーカーの容量も上げなければいけないので、それはそれで再工事になってしまいます。
というわけで、同時に使用する電力量に気をつける生活スタイルに変えたら、全然ブレーカーも落ちなくなったので、しばらくは問題ないかと思っています。人間の慣れってすごいですね。
とかいいつつ、油断して電子レンジとか使うとバチンという音とともに真っ暗になるんですけど。
充電スポットの探し方
さて、ウォールコネクターの説明の次は、外部の充電スポットについて解説します。
この充電スポットの話もちょっとややこしいのですが、電気自動車が普及していくにつれてシンプル化&機能向上していくんでしょう(と期待しています)。
充電スポット自体は上記の「EVsmart」さんで簡単に探すことができます。
とは言っても、普通(ノーマルチャージャー)だったり、中速だったり急速(クイックチャージャー)だったり、CHAdeMOだったり、ケーブル付充電器だったり、200Vコンセントだったり、テスラスーパーチャージャーだったりと、いろんな仕様があります。
以降、よく使われる急速充電器(クイックチャージャー)と普通充電器(ノーマルチャージャー≒ケーブル付き充電器) 、テスラスーパーチャージャーについて解説します。
普通・急速充電器スタンドの違い
すごいざっくり言うと、普通充電器は自宅用充電器と同じぐらいの充電スピードです(約20km/h)。その分、充電時間の制限がなかったり、充電代金が安かったりします。
一方、急速充電器はCHAdeMOという規格で、 20kWとか44kWとか50kWとかの電力量で充電します。20kWはコンビニとかショッピングセンター、40kW以上だと自動車ディーラーや高速道路のサービスエリアなどで展開されていることが多いです。
自動車ディーラーはトヨタや日産、三菱などになりますが、さすがにテスラで乗り込む度胸はないので使ったことないです。
なお、最初の画像が20kW規格で、1時間で約100km程度の充電が可能です。2枚目が40kW規格で、1時間で200km超の充電が可能です。
テスラスーパーチャージャーはもっともっと早いです(語彙力)。
急速充電器で充電する場合
急速充電器を利用する電気自動車オーナーの方が多いと思うので、先に急速充電器の使用法を解説します。
なお急速充電器でテスラモデル3を充電する場合、CHAdeMOアダプターを使用する必要があります。
↑CHAdeMO規格とテスラの充電口ってぜんぜん違うので、CHAdeMOアダプターで調整するわけです。
ちなみにすげえ重いので、無理に片手でやろうと思わない方がいいです。
で、CHAdeMOアダプターを接続してぶっ刺せばいいかと言うとそういうわけでは有りません。充電料金を払うための手続きをする必要があります。
充電料金については後ほどまとめて解説しますが、高めの料金を支払うビジター(ゲスト)利用と、月会費を支払って格安料金で利用できる認証カード利用の2パターンがあります。
ビジター(ゲスト)で利用する場合
充電器にもいろんな規格があってそれはそれは面倒なのですが、数多く利用されているジャパンチャージネットワークの場合で説明します。
ビジターの場合はジャパンチャージネットワークのウェブサイトにアクセスして、利用パスワードを取得する必要があります。
利用したい充電スポットを選択し、クレジットカード番号を入力することで1日使える6桁のパスワードを取得することができます。なお、現金支払いはできません。
この充電コントローラーに取得したパスワードを入力することで、充電が開始されます。
充電料金は急速充電の場合、基本的に1分毎に50円で、普通充電の場合は1分毎に8円です。なお急速充電は最大30分で一旦充電が終了しますので、待っている車があったら場所を譲りましょう。
一度、パスワードを取得すれば、当日中であればそのパスワードで何度でも充電可能です。
会員カードで利用する場合
外で充電する機会が少ない人であれば、都度ビジターで利用すれば良いと思いますが、外での充電の機会が多い、都度パスワード入力するのが面倒くさいという人は、月会費を払って充電認証カードを取得することで手続きを簡素化することができます。
僕は日本充電サービスが発行するNCSカードの急速・普通併用カードを利用しています。
月会費は4,200円で、急速充電が15.0円/分、普通2.5円/分で利用することができます。なお、急速充電器用NSCカードは月額3,800円、普通充電器用NSCカードは月額1,400円で利用可能です(1分あたりの充電料金は併用カードと同じ)。
このカードが有れば、充電器のカードリーダーにタッチするだけで充電器を利用することができます。支払いは登録してあるクレジットカードから引き落とされます。
実はこの充電認証カードもいろんな種類があって、まぁ複雑です。各充電認証カードに関してはGoGoEVさんがまとめてくれているので、そちらを参照ください。
普通充電器で充電する場合
この間、名古屋に行ってきて駐車場で長時間充電したのですが、見事に写真撮り忘れたので、EVsmartさんのリンクを張っておきます。要はこの形状です。
先ほども書きましたが、充電スピードは20km/hぐらいです。お値段についてはビジター料金が8円/分、充電認証カードを使用した場合は2.5円/分で利用可能です。
なおテスラの場合、普通充電器のプラグの形状が違うため、モデル3購入時に入ってたアダプターを使う必要があります。最初の画像がテスラ側で、2つ目の画像が普通充電器のケーブル側の形状です。
テスラスーパーチャージャーもあるよ
テスラには自社で運営する充電ステーション「テスラスーパーチャージャー」があります。
利用方法は簡単で、ただ充電口にプラグを刺すだけです。料金は充電出力が61kwh以上の場合は40円/分、60kwh以下の場合は20円/分となります。利用代金はモデル3購入時に登録してあるクレジットカードに請求されます。
現状、日本国内22箇所ですが、随時、新設されています。
半端ないパワーなので、ものすごい勢いで充電可能です(語彙力)。
電気自動車の電気代(充電代)と電費(燃費)
ここまで各充電方法について解説しましたが、ここからはさらにややこしい充電代金と電費(燃費)のお話になります。
※僕の思い込みもあるかもしれないので、間違ってたら優しく指摘してください
まず、僕のテスラモデル3スタンダードレンジプラスのスペックです。バッテリー容量は55kWh、WLTC航続距離は409kmになります。電費計算はこの409kmで、ガソリン代は150円でおこなっています。
とはいえこの航続距離は理論値なので実際はこんなに走らず、現実に近いとされるEPA航続距離は386kmです。さらに冬季(気温が低い時期)は一般的に30%程度電費が悪化します(暖房やバッテリーヒーターなど)。
自宅充電の場合
自宅充電での算出方法は単純で、1kWhあたりの電気料金を掛ければ電気代は計算できます。簡単簡単。
何度も書いていて恐縮ですが、染谷家は太陽光発電(壊れた)+オール電化なので、このような電気契約になっています。というわけで、充電の時間帯によって電気代や電費が変わってきます。面倒くせぇ…。
契約プラン | 電化上手 | 満タン電気料金 |
日中(夏季) | 39.34円 | 2,164円 |
日中(その他) | 32.32円 | 1,778円 |
朝晩 | 26.49円 | 1,457円 |
夜間 | 12.48円 | 686円 |
ざっくり、高くて2,164円、安くて686円で(そんなに走らないけど)409km走れるわけです。これをガソリン1リッター(150円試算)で計算し直してみるとですね。
契約プラン | 電気料金/km | 走行距離/円 | ガソリン換算燃費 |
日中(夏季) | 5.3円 | 0.189km | 28.4km/l |
日中(その他) | 4.3円 | 0.230km | 34.5km/l |
朝晩 | 3.6円 | 0.281km | 42.1km/l |
夜間 | 1.7円 | 0.596km | 89.4km/l |
1kmあたり1.7円~5.3円で走ります。そして1円あたり0.596km~0.189km走ります。これに150を掛けると、ガソリン1リッターあたりの燃費を算出できます。面倒くせぇ。
正直なところ、スマホと一緒でただ駐車しているだけでも充電は減るのでこんな数値になることは無いのですが、体感的にリッター20kmぐらいのイメージで考えてもらえれば良いかと思います。
上のリンク先は国産車の燃費ランキングですが、燃費はヴィッツやプリウスと同等で、モデル3のパワーを味わえると思ったらかなりリーズナブルだと思います。
【2022年3月5日追記】
「電化上手」に関して2016年3月31日をもって新規ご加入の受付を終了しています。最新の東京電力の料金プランはこちらで確認できます。→東京電力の料金プラン
普通・急速充電器スタンドの場合
続いて充電器スタンドの場合で算出します。こっちは単純計算で済むから簡単簡単。
まず大前提として、日本の充電スタンドの料金は充電できた量ではなく時間制です。ガソリンの場合、給油量に比例して値段が決まりますが、充電スタンドは時間に比例して値段が決まります。
この記事のはるか昔に載せた、1分50円とか15円とかっていうのがそれですね。急速充電器の20kWだろうが50kWだろうが一緒の値段です。だから出力が大きい充電器で充電した方が間違いなくお得なのですが、街中にあるのって20kWばっかりだったりするんです…。
この辺りは電気自動車が普及するにつれて、充電量による従量制に変更してもらいたい次第です。
ちょっと話が脇道に逸れちゃったので本題に戻します。なので、急速充電器のkWの違いによる電費と普通充電器の電費、そしてビジター料金パターンと充電認証カードパターンに分けて解説します。結局のところ面倒くせぇ。
充電器の規格 | 充電代金(30分) | 走行距離 | ガソリン換算燃費 |
20kWh(ビジター) | 1,500円 | 50km | 5.0km/l |
40kWh(ビジター) | 1,500円 | 100km | 10.0km/l |
20kWh(カード) | 450円 | 50km | 16.7km/l |
40kWh(カード) | 450円 | 100km | 33.3km/l |
普通(ビジター) | 240円 | 20km | 12.5km/l |
普通(カード) | 75円 | 20km | 40.0km/l |
こう見ると急速20kWのビジターは超絶燃費悪いですね。最低限、40kW以上の規格か、認証カードじゃないとコスパ悪いんですが、充電認証カードには固定の月会費があります。
というわけで、次の項目では会員カードを申し込んだ方がお得なパターンと、申し込まない方がお得なパターンに分けて解説します。
どんな人が充電認証カードを申し込むのがお得?
そもそも充電認証カード自体がすごい種類あります。
さすがに全部試算するのは大変なので、僕が申し込んだ急速・普通併用NCSカード(月額4,200円)で計算します。
カード有り | カードなし | |
月会費 | 4,200円 | 0円 |
充電代金 | 15円 | 50円 |
充電時間 | 30分 | 30分 |
充電回数 | 4回 | 4回 |
合計金額 | 6,000円 | 6,000円 |
月に4回以上、外で急速充電を使う人はカードを申し込んだ方がお得になります。逆に4回以下であればビジター充電の方が安いです。
ということで、移動が多い人は何かしらのカードを申し込んでおくことをお勧めします。
テスラスーパーチャージャーの場合
おそらく国内ではテスラスーパーチャージャーが一番高出力で充電可能です。このスーパーチャージャー、従量制で(充電容量に応じて)課金されますが、出力によって自動的に価格が変動します。
充電出力 | 料金 |
61kWh以上 | 40円/分 |
60kwh以下 | 20円/分 |
60kWhをラインとして価格が切り替わるのですが、上記の写真のように77kWhの出力が出ると1時間で560km(30分だと280km)の充電が可能です。
なので単純計算ですが、40円×30分=1,200円、1,200円÷150円(ガソリン1リットル)=8リットル、280km÷8L=35kmという感じになります。
60kWh以下になると充電距離が短くなりますが、価格も安くなるので同じぐらいの電費なんじゃないですかね(投げやり)。
実は無料充電器スポットもあるよ
地域によりますが、無料で利用できる充電器を備えている施設もあります。
この施設が近くにあれば、電費なんで小さなことを気にすること無くひたすら充電ができます(マナーは守りましょう)。
なので、自宅の近くに無料充電施設がある方は、ガソリン車から電気自動車に切り替える決め手の一つになるかもしれません。
まとめ
ガソリンスタンドに比べて充電スポットはまだ少ないですが、電気自動車が普及していくにつれてどんどん増えていくと思います(増えるのを期待しています)。
電気代(電費)についても同レベルの車種に比べたら圧倒的に安いですので、その辺りも車選びのポイントにしてくださいね。
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